GPSや加速度センサーを活用し「隠れ交通違反」を検知(サービスに対応した端末)

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 OKIは今秋、スマートフォンの全地球測位システム(GPS)などを活用し、トラックやタクシーが交通違反している可能性を検知するシステムの実証試験を始める。実際に警察の取り締まりを受けていないものの、速度超過や一時停止違反などの「隠れ交通違反」を見える化し、運送やタクシーの事業者に通知する。事業者が運転手に注意を喚起し、安全運転の意識の底上げにつなげられる。法令順守を強化したい企業の需要を見込む。

 OKIは関西の中堅運送業者と連携し、システムを実証する。スマホのGPSや加速度センサーなどから、1秒ごとに車両の位置や速度、加速度などの情報を収集する。地図情報と照らし合わせて、一方通行や右左折禁止などの疑いも検知する。踏切前の一時停止が不十分な場合が多いなど、運転手ごとに癖も把握できるようになる見通しだ。

 実証が軌道に乗って事業化する際は、OKIが車両運行向け高度道路交通システム(ITS)サービス「ロコモビ2・0」のアプリケーション(応用ソフト)の一つとして提供する。

 同サービスは、トラックの待機時間を自動収集し、荷主に長時間待たされた場合に待機料金を荷主に請求するアプリなども提供している。

 交通違反を繰り返す運送やタクシーの事業者は、車両運行停止などの行政処分を受ける場合がある。そうなると経営上の損失に加え、企業イメージが悪くなり人材も集めにくくなる。OKIは法令順守の需要を取り込む。