携帯業界「ポイント経済圏」の勝者は?
「(9500万人の楽天会員に向け)複合的なサービスを絡めながら、リーズナブルな価格と、快適な接続を実現する」―。楽天の三木谷浩史会長兼社長は第4キャリアとしての戦略をこう説明する。
楽天は電子商取引(EC)サイト「楽天市場」などグループ全体で築いた顧客を中心に、約1500万人の契約獲得を目指している。楽天の持つ巨大な顧客基盤は大きな強みとなる。
迎え撃つNTTドコモ。「従来は回線契約を中心に顧客基盤を考えていたが、今後は回線契約の有無に関わらずdポイントクラブ会員を軸とした顧客基盤に変革する」―。吉沢和弘社長は18年度の取り組みの柱をこう表現する。
国内携帯電話市場の成熟化で回線契約数は今後大きくは伸びない。だからこそ、各種サービスとの連携で携帯電話以外にも市場が広がるポイント会員を新たな軸に据えた。
自社ポイント「dポイント」の会員数は着実に増えており、17年度の会員数は前年度比425万人増の6560万人。先行するTポイントの利用者数(過去1年間)6634万人に近づいた。ただ、楽天のID数9500万にはまだ届いていない。
このため、吉沢社長は「会員にさらなる価値を提供できる好循環を生み出す」ことを重視する。その施策がdポイント加盟店の拡大だ。利用店舗が増えれば、ポイントをより多く貯められる自社のクレジットカード「dカード」の利用も増え、ポイントで携帯電話料金を支払えるドコモの競争力も強化できる。
ローソン、マクドナルドのほか、4月末にはマツモトキヨシの店舗でも利用可能にするなど20年度までに300社以上の加盟を目指す。加盟店で買った商品の支払いを、スマートフォンに表示したバーコードで決済できる「d払い」も開始。早期に10万店への導入を目指すことで便利さも追求する。
お得感や便利さに加え、“驚き”を顧客に届けるサービスも拡充する。5月末からAIがユーザーの行動や状況を学習して生活エリアや好みに合わせた情報を適切なタイミングでスマホに届ける「マイ・デイズ」を始めた。20年までにサービス数を150件に増やし「1500万ユーザーの利用を目指す」(吉沢社長)。

