内田篤人は、痛恨のミスで失点を誘発した19歳DF小田逸稀について自身の経験を踏まえてアドバイスを送った【写真:Getty Images】

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川崎戦で1-4と惨敗の鹿島、後半20分にDF小田が痛恨のパスミスから失点

 J1鹿島アントラーズは21日のリーグ第9節、敵地川崎フロンターレ戦で1-4と惨敗した。

 鹿島の元日本代表DF内田篤人は、痛恨のミスで失点を誘発した19歳DF小田逸稀について「アイツは本当によくやっていると思うよ」と擁護。「俺がミスった時は…」と自身の経験を踏まえてアドバイスを送っている。

 鹿島は開始5分にオウンゴールで失点すると、後半2分にもMFエドゥアルド・ネットに被弾。後半19分にMF永木亮太のFKが壁に当たり、こぼれ球がそのままネットを揺らし1点差に詰め寄ったのもつかの間、直後の後半20分にDF小田のパスミスからMF中村憲剛に流し込まれてリードが広がり、さらに同30分にもFW大久保嘉人に決められ万事休す。最終的に1-4で川崎に大敗した。

 前節の名古屋戦では、怪我人の影響もありプロ2年目の小田が左サイドバックで先発。リーグ戦プロ初出場を飾ると、川崎戦で2試合連続スタメンに名を連ねた。両チームの併せて36人の中で唯一の10代となった小田は、後半20分に若さを垣間見せてしまう。

 鹿島の最終ライン裏へパスが出るも、小田がカバーに入る。GKクォン・スンテにバックパスを試みたがボールは力なく転がり、勢い良く寄せていた中村にボールを奪われ、そのまま痛恨の失点となった。その直前に永木が反撃の狼煙となるゴールを決めて1点差に詰め寄っていただけに、まさに試合の流れを決定づけるミスとも言える。小田も失点直後、膝からピッチに崩れ落ちて失意を露わにした。

内田に「全然文句言わなかった」と挙げた先輩二人は?

 決定的なミスを犯した小田だが、経験豊富な内田は「アイツは本当によくやっていると思うよ」と擁護。「19歳であんだけ家長(昭博)さん、ブラジル人(エウシーニョ)に食いついてよくやってる」と評価している。

 ミスについても「でも、ディフェンスってああいうものだから」とサバサバした様子。「俺も何回も失点に絡んでいるし、こうやって反省して次はないようになっていく」とDF論を口にした。

一方で自身の経験に重ね合わせるように、「俺がミスった時、(小笠原)満男さんとかソガさん(曽ケ端準)は全然文句言わなかった」と回想。“DFにミスは付き物”という内田なりのメッセージも送っている。

実際、ピッチに倒れ込んだ小田を鹿島のメンバーは責めず、MF三竿健斗らが近寄って立ち上がるように手を差し伸べた。「チーム全体の責任ということでチャラにして、次やったら坊主」と冗談も交えた内田。10代の頃から主力としてプレーした内田にとって、当時の自分の重なる部分もあるのだろう。「そういう気持ちでいいんだよ」と続け、19歳DFが次なる一歩を踏み出せるように背中を優しく押している。(大木 勇(Football ZONE web編集部) / Isamu Oki)