韓国の公取委、アップルに罰金を科す可能性。宣伝イベントやCM費用を通信キャリアに強制していた疑い
韓国の公正取引委員会が、アップルの不正行為に対して制裁を科す可能性が高いとの報道が伝えられています。

ここ数年、現地の通信キャリアから苦情が寄せられていたとのこと。韓国公取委はアップル現地法人に聴聞会での説明を求めた後、制裁措置を科すかどうかを検討するとされています。Korea Heraldによれば、アップルは広告費や宣伝イベント、修理費用などの不当な負担を現地キャリアに強いていたと報じられています。

たとえば2017年11月には、SKT、KT、LGUplusの三社が、アップルの要求通りにiPhone 8とiPhone Xのデザインおよび機能を宣伝するテレビCMを自費で放映したとのこと。

「iPhoneのテレビCMは、終わりに通信キャリア各社のロゴが表示されることを除いては全て同じだが、通信キャリアは数十億ウォンもの負担を強いられた」と匿名のキャリア幹部は述べています。

「ここ数年」とある通り、2016年7月には韓国公取委の委員長が「(韓国市場でのアップルには)いくつかの問題がある」として捜査対象としていることを明かし、翌年11月のiPhone X発売日に強制捜査を実施。今回の報道は、その結果というかたちです。

アップルの通信事業者に対する振る舞いは国際的にたびたび問題視されています。2013年には台湾の公取委が2000万台湾ドルの罰金を科し、2016年にはフランスで不当契約につき4850万ユーロの罰金。日本でも公取委が独禁法違反行為に対して訴訟を起こすとの観測も報じられました。

プライバシー情報の扱いについては潔癖さをアピールするアップル。本業のハード販売についても、公正な態度を望みたいところです。