歓送迎会のシーズンです(写真:A_Team / PIXTA)

こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャⓇ」の大野萌子です。

年度替わりの時期、職場では歓送迎会のシーズン真っ盛りかと思います。お酒の席で自らの評判を落とさないために、心得ておきたいポイントをお伝えします。

「ノンアルコール」はストローをはずして飲む

1)お酒が苦手な人は、無理にアルコールを飲まない

今の時代、アルコールを無理に勧められることも少なくはなってきているとは思いますが、それでも慣れない環境だったり、周りの目を気にして無理してしまう方もいるかと思います。


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・「最初の1杯だけ」はかえってダメ

仕事終わりに行く場合は、空腹のことも多いかと思います。そんな状態で乾杯時に、最初の1杯だけでもと口をつけてしまうと酔いは一気に回ります。最初の1杯こそ、ノンアルコールにしましょう。難しい場合は、飲み会の前に野菜ジュースや何か少し食べものを口に入れておくのも手です。

・形だけは統一する

「とりあえずビール」ということも職場の飲み会ではありがちです。そのときに重宝するのはノンアルコールビールです。見た目を同じにするだけでその場の雰囲気になじめます。

また、ノンアルコールの場合は、ストローをはずすことも忘れずに。お店側はアルコールと間違えないためにノンアルコールドリンクにはストローを差して出すことがほとんどかと思います。ストローをはずすだけでアルコールを飲んでいるような演出ができ、周りになじむことができます。ちょっとした工夫をして、無理にアルコールを摂取することを避けましょう。

2)「飲み会」といっても職場には違いない

職場におけるハラスメントの基準となる「職場」とは、事務所内だけではありません。たとえば、取引先、移動中の車中なども挙げられますが、間違えやすいのが、歓送迎会などのイベントです。

気の合う職場の仲間と少人数で飲む居酒屋はプライべートとみなされますが、課や部、グループ全員に声が掛かるような歓送迎会などの飲み会は、職場における半強制の集まりとみなされ、たとえ場所が居酒屋であっても職場に該当します。

ですから、それなりのマナーが必要になります。無礼講などの言葉が使われることがありますが、あくまで職場ですので、言動には節度を持ちましょう。

相手に話してもらうためには「質問の力」が必要

3)会話を円滑にする「質問上手」になる

特に上司が相手の場合に、何を話したらよいのかわからないという相談をよく受けます。普段のやり取りがメール中心だったりすると、直接話すことも少なく、何を話題にしてよいのか途方に暮れてしまうこともあるようです。

基本、コミュニケーションは、話すより聞くことにエネルギーを注いでください。自分が話すのではなく、相手に話してもらうことが大切です。適度な相槌を打つことや頷くことも大切なのですが、相手がおしゃべりでないかぎりそれだけでは会話が弾みません。会話を続け、相手に話してもらうためには、質問の力が必要になります。

質問には、2種類あります。1つは、クローズドクエスチョン(閉ざされた質問)と呼ばれるものです。

「今日、食べ放題飲み放題のコースらしいですけど、お昼は食べましたか?」というような質問を指します。この質問には「食べた」か「食べない」という答えが返ってくることが想定できます。このように、「YES」か「NO」で答えられる質問のことをグローズドクエスチョンと呼びます。

相手が答えやすいというメリットがある一方で、連続して使うと、Q&Aのパターンに陥ってしまいます。立て続けにインタビューを受けているのと同じ状態になり、責め立てられている感じを相手に与えてしまうことも多く、特に部下に対しては避けたほうが望ましいといえます。会話のとっかかりに使う分には問題ありませんが、多用は避けましょう。

それを防ぐのが、オープンクエスチョン(開かれた質問)です。

「今日のお店の雰囲気どうですか?」といった質問のことを指します。この質問には、「YES」か「NO」だけではなく、自分の思いを伝える必要が出てきます。「天井が高くて開放的でいいね」とか「料理がおいしくていいね」など、相手の思いによって答えに変化が表れます。

環境がよいと言われたらインテリアや空間の話に、料理のことに話が及んだら好きな料理や調理法について、会話をつなげていきます。相手が振った話題に沿って話を展開していけるので、こちらには話題提供の負担はかかりにくく、相手は自分が発したことへの関連なので話しやすいという利点があります。さらに「へぇ、そうなんですね!」「知りませんでした!」「すごいです!」などの感嘆詞を相槌に織り込んでいくと、相手が気持ちよく話してくれるでしょう。

しっかりと相手の話に頷きつつ、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンをうまく組み合わせて使っていきましょう。

まずは言われたことを受け止める

さらに上級の方法として、質問は単独で使わないことが大切です。

「受け止め」とセットで使うことで、より一層、相手との会話がスムーズになります。

「昨日、久しぶりに映画を観に行ったんだけど」

×「何を観たのですか?」

〇「(頷きながら)久しぶりに映画を! 何を観たのですか?」

このように、いきなり質問をするのではなく、まずは言われたことを受け止めることで、自分の話をきちんと聞いてくれているという信頼感と安心感を与えられ、より次の質問に答えてもらいやすくなります。

TV番組で見るような上手な司会者はこの方法を取っていますので、お手本にチェックすることもお勧めです。

職場の異動も多い季節、新しい人間関係をよりよく構築していくための一助になりますように。