高橋大輔

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20日放送、フジテレビ「スポーツLIFE HERO'S」では、来月開催される平昌五輪のフィギュア男子代表の座を手にした田中刑事を特集。同郷・岡山出身でバンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔が、直接アドバイスした後輩に期待を寄せた。

子どものころから切磋琢磨してきた同期の羽生結弦が、世界のトップへと駆け上がる様を目の当たりにしてきた田中。「彼のスゴさ、成長スピードに自分自身追いつけなかった」という彼は、焦らず、腐らず、諦めず、コツコツ結果を積み上げ、昨年ようやく世界選手権に初出場を果たした。

だが、大会では19位に終わり、世界との差を思い知らされた田中は「世界の選手ともっと戦える自分でいたい」と悔しさをあらわに。「羽生結弦と同じ舞台に立ちたい」と、五輪を目指し、6月にデトロイトに渡ってプログラムづくりに励んだ。

ショートプログラムでは初のブルースを採用。4年前から温めていたという林祐輔コーチが、「失敗する気がしない」と太鼓判を押すほど、満を持しての投入だった。昨季から滑り込んできたフリーは、自身初となる2種類、3本の4回転ジャンプを組み込んだ進化型のプログラムだ。

全日本選手権の2週間前に、異例ともいえる追い込みをかけていた田中は、男の色気で世界を魅了してきた高橋から、目線を意識しろと助言を受ける。目線を決めておかないと弱く見え、「意識の目線をちゃんとフォーカスしていくことで力強さ、メリハリが出る」(高橋)のだ。

高橋の指導で一皮むけた表現力に加え、緊張感さえもねじ伏せる練習量で手に入れた絶対的な自信を身につけた田中は、熾烈な代表争いを戦い抜き、全日本選手権で見事に平昌へのチケットを手に入れた。

高橋は田中のメンタルが成長し、雰囲気が変わったと指摘する。「風格と言っていいくらい、中から出てくる力強さがより一層増した」と、成長を続ける遅咲きの後輩に賛辞を寄せた。

五輪代表選手たちは大会を前に、四大陸選手権(24日開幕)に臨む。田中は「攻める気持ちを持って、その結果も全部受け止めて、オリンピックに行きたい」と意気込みをあらわにした。