どうなる、日本相撲協会(画像は同協会公式サイトより)

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大相撲の元横綱・日馬富士の暴行問題をめぐって揺れる角界。元日馬富士は引退の道を選んだが、事件の真相はいまだ明らかになっていない。調査に非協力的な貴乃花親方に対し、批判的な目を向ける人もいる。

そうしたなか、日本相撲協会の「分裂」を支持する人らが、インターネット上で声をあげ始めている。

「全日本相撲協会」と「新日本相撲協会」へ?

かねてから貴乃花親方と協会執行部の間には確執があると噂されており、今回の騒動でそれが表面化した。貴乃花親方はこれまで、聴取を拒み続けている。

そんな相容れない両者の関係を見てきた人からは、日本相撲協会の「分裂」を支持する声がツイッターなどに投稿されている。とりわけ、

「とうとう相撲も昔の日本プロレスのように分裂か」
「プロレスみたいに相撲界も分裂しちゃえばいいのに」
「いっそのこと全日本相撲協会と新日本相撲協会に分裂するのがよろしい」

と、プロレスを例に挙げる人は多い。

プロレスといえば、力道山が1953年に旗揚げした日本プロレスが力道山の死後に分裂。方向性の違いから、ジャイアント馬場率いる「全日本プロレス」とアントニオ猪木率いる「新日本プロレス」が誕生した。全日本プロレスは2000年にさらに分裂して、三沢光晴が「NOAH」を旗揚げし、現在はその他にも大小さまざまなプロレス団体が存在している。

ツイッターには具体的な分裂案についても意見が上がっており、

「『格闘団体・八角相撲』と『伝統神事・貴乃花相撲』に分裂すれば良いと思う」
「日本相撲とモンゴル相撲に分裂?」
「明るく楽しい全日本相撲協会と、ガチンコ、ストロングスタイルの新日本相撲協会へww」
「八百長アリのプロレス相撲と、貴花田のガチンコ相撲に分裂したらいいんだと思います」

といった投稿がいくつも散見される。お笑いコンビ「浅草キッド」の玉袋筋太郎も25日ツイッターで、

「騒動の結果『日本相撲協会』『新日本ガチンコ相撲協会』の形で分裂してそれぞれ興行やって年末団体対抗戦が一番いいと思ったりしたりして〜 やれんのか? やれるわきゃないな〜」

とコメントしている。

新聞各紙でも分裂の可能性を示唆するような内容の記事が、しばしば掲載されている。29日の読売新聞は、「一部の力士『貴乃花親方のもと巡業したくない』」という見出しで、協会関係者の話として、「『貴乃花親方のもとでは巡業に参加したくない』との意見を述べる力士もいた」と報じた。30日にも、白鵬が「貴乃花巡業部長のもとでは冬巡業に参加できない」などと発言したことが関係者談話として伝えられた。また、日刊ゲンダイは25日、「事情聴取を真っ向拒否 貴乃花親方は相撲協会『脱退』必至」と題した記事を公開している(いずれもウェブ版)。

爆問太田「長く続いている方がむしろすごい」

分裂論が囁かれるなか、お笑いコンビ「爆笑問題」の太田光は11月28日深夜放送のTBSラジオ「JUNK爆笑問題カーボーイ」で、今回の騒動についてこう述べた。

「日本古来の武道とかって結構ガタガタになってきている。そもそも相撲協会なんてさ、あんだけ続いているっていうのがさ、すごいことなんだよ。だって落語協会なんてひどいもんだよ。分裂に分裂を重ね、ボロボロになっているんだから」

落語だけでなく、茶道や華道なども流派が分かれていることを指摘。16年末に解散したジャニーズアイドル「SMAP」まで例に挙げ、「長く続いている方がむしろすごいよ、相撲協会」と感心した。

相方の田中裕二は貴乃花親方の動向について、「革命的な感じを起こそうとしているのか分からない」としつつ、分裂騒動までには至っていないとした。これを受けて太田は、

「でも、ああいうこと(今回の暴行問題)が発端でさ、なるわけじゃない。古い慣習みたいなのがあるんじゃないの?あって、それが気に入らないと。これからもっと相撲を近代化していきたいとかなんか、色々あるんだろうけどね」

と、分裂の可能性がゼロではないと語った。