COP23で逆風が強まった石炭火力、日本が考えるべき三つの視点
採択後1年足らずでの発効は国際条約として極めて異例。直後にモロッコ・マラケシュで開かれたCOP22に合わせてルールづくりのための会合も開かれたが、準備作業が追いつかず2年後のCOP24までに、検証や報告などの詳細な運用ルールを策定することが決められた。
COP22で日本など批准が遅れた国を含め、すべての国がルールづくりに参加できる措置が取られ、協定発効の祝賀ムードが広がっていたところに水を差したのが、開幕直後の米大統領選。民主党のオバマ前大統領による温暖化対策を真っ向否定していた共和党のトランプ氏が勝利し、“トランプ・ショック”となった。
だが、オバマ大統領とともに批准の先陣を切った中国政府は選挙結果を受け「我々は自国で決めた目標に向かって温暖化対策を進めていく」と表明。先進諸国首脳もこぞって温暖化対策に取り組む強い意志を示し、パリ協定を採択したCOP21のモメンタム(勢い)は維持された格好だ。
先進国VS途上国、温室ガス削減目標で溝
トランプ米大統領が大統領選での公約通り、パリ協定からの離脱を表明したのは今年6月。国際社会は平静を保ったが、最も影響が懸念されていたのが途上国への資金支援。パリ協定では、すでに先進国側で合意した20年までに官民合わせて年間1000億ドル(約11兆円余)をベンチマークに増額する方向だけが示されていたが、当然、米国抜きでの上積みは難しい。
