【コラム】2連戦の収穫は武藤&小林の可能性、欧州遠征での課題は香川の“生かし方”か
ニュージーランドとハイチに快勝したところで、チームや選手の評価は「相手のレベル」というフィルターを通したものになる。今回の2試合によって11月の欧州遠征のメンバー入りに「当確」の印がつく選手は、最初からいなかったと考えるのが妥当だ。
それにしても、ハイチ戦には目を覆いたくなった。2月を最後に活動が無く、平均年齢23歳強の若いチームに、ギリギリまで追い込まれたのだ。成果を見つけるのは難しい。
相手のレベル、結果、内容といったものを、ひとまず脇へ置いてみる。そのうえで11月以降へつながる要素を探すと、武藤嘉紀(マインツ)の存在に行き着く。
ニュージーランド戦で約2年ぶりに先発した武藤は、4-2-3-1システムの「3の左サイド」で起用された。システムが4-3-3になると、左ウイングでプレーした。
ハリルホジッチ監督はこれまで、どちらのシステムでも左サイドにドリブラータイプをチョイスしてきた。原口元気(ヘルタ・ベルリン)であり、乾貴士(エイバル)であり、宇佐美貴史(ドュッセルドルフ)である。3トップ中央の大迫勇也(ケルン)との関係で、彼らは「使われる」ことが多い。大迫が起点となることで前を向いてボールを受けたり、もう一人選手が加わったなかで背後のスペースを突いたりする、といったメカニズムである。
ニュージーランド戦の武藤と大迫の関係は、そうしたものとは違った。武藤がストライカー的にボールを受けることで、大迫が「使われる」立場にもなっていたのである。
武藤もドリブルで仕掛けることはできる。ハリルホジッチ監督が求めるDFラインの背後へのランニングは、所属するマインツでも親しんだものだ。大迫のバックアップと見なされてきた25歳が、左サイドの候補者としても浮上してきたのは今回の発見にあげられるだろう。
小林祐希(ヘーレンフェーン)にも触れるべきだ。
ニュージーランド戦で後半途中から、ハイチ戦ではスタメンから、武藤と同じこの25歳は右インサイドハーフで起用された。どちらの試合でもショートパスとスルーパスでリズムを作る意図が読み取れ、浅野拓磨(シュトゥットガルト)が右ウイングに、酒井高徳(ハンブルガーSV)が右サイドバックに入ったハイチ戦は、同サイドで攻撃を完結させることが多かった。

