【現地発】「ネイマール孤立」の舞台裏…なぜパリSGで味方がD・アウベスだけに?
その対象者は、アンヘル・ディ・マリア、ハビエル・パストーレ、ルーカス、ユリアン・ドラクスラー、アテム・ベン・アルファ、チアゴ・シウバ、ブレーズ・マテュイディ(現ユベントス)、セルジュ・オーリエ(現トッテナム)といった選手たち。その数は実にチーム全体の半数に及び、長年に渡ってチームを支えてきた重鎮たちの名前も多く含まれていた。
しかも、対象者の1人に直接確認したところによると、そのメッセージがまた失礼極まりないものだった。その中身はこうだ。
「FFPに照らし合わせ、クラブはネイマール獲得オペレーションで支払ったお金の一部を回収し、収支のバランスを保つ必要性に迫られている。現有戦力を一掃セールで売りに出すことにした」
クラブからこのメッセージを受け取り、もっとも傷つき怒り心頭となったのがマテュイディで、すぐさま移籍を志願。そのままユベントスへと飛び立ったが、その際の移籍金が2000万ユーロ(約25億6000万円)と推定市場価格よりも低かったのは、選手側が退団へ向けて強硬姿勢に出たため、パリSGが不利な条件を飲まざるを得なかったからである。
この重鎮マテュイディの離脱は、チームに大きな動揺を与えた。ロッカールームに広がったのは、ネイマールをチームに迎え入れる代償として、自分たちが商品のように扱われているという感情だ。
「ネイマールはいったい何様のつもりだ。自分をメッシだと勘違いでもしているのではないか?」
こんな言葉の数々が彼らの心の中を去来した。そしてこのチームメイトたちの気持ちを代弁し、反旗を翻すべく先頭に立ったのがカバーニだった。
ネイマールは8月4日にパリSGの練習に合流したが、その初日から彼が見せたスター然とした態度も、そうしたムードを助長させるものでしかなかった。
もちろん選手たちは、ネイマールのメガクラックとしてのステータスの高さを理解しているし、パリSGでもトップに君臨するだけの実力の持ち主であることも分かっている。しかしだからといって、チームメイトを見下すような行為が許されるはずはない。
自らのご機嫌取りにしか興味がないクラブ幹部たちの能天気さを良いことに、ネイマールはその後も一向に態度を変えなかった。
「自分がバロンドールを獲得し、長年に渡りパリSGのタイトル獲得に貢献してきたとでも勘違いしているのではないか?」
セレソンの長年の仲間でもあるマルキーニョスやルーカスまでもが、ネイマールに対してこんな複雑な感情を持つに至った。最後にはチーム内におけるネイマール擁護派は、ピッチを離れても大の親友であるダニエウ・アウベスのみとなってしまった。

