データベースの公開を喜ぶルカイ族の男性

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(屏東 23日 中央社)南部・屏東県政府は22日、先住民の先祖の中国語名から日本統治時代の戸籍資料を検索できるデータベースを公開したと発表した。先住民の中国語名と日本名を対照可能なデータベースの設置は台湾全土の自治体で初めて。先住民のルーツ探しを後押しする。

県政府の鄭文華民政処長によれば、台湾の先住民は時代の変遷と政権交代によって、2度にわたり改名を強いられてきた。日本統治時代に戸籍調査が始まった当初、先住民の名前は民族語の発音にならいカタカナ表記で記載されたが、昭和に入ってから皇民化政策が推進されると、カタカナ表記の名前は日本名に変更された。台湾光復(日本統治時代の終結)後の1946年には日本名が再び中国語名に変わり、戸籍上に3種類の名前が存在することになった。だが、それぞれの名前を一人の人物として連結させることはできず、長年の経過によって家譜が失われ、先祖が見つからないケースが発生していた。

データベースの構築は、日本語能力を持つ先住民の学生の協力を得て、昨年と今年の夏休みを利用して行われた。

2万人余りの戸籍資料が連結され、成功率は95.5%に上る。鄭処長は、日本語を読めないために先祖の戸籍謄本の申請ができないという問題を解決できたと語った。

ルカイ族の男性は、このデータベースによって、やっと自分の家譜が見つけられると喜んだ。

(郭シセン/編集:名切千絵)