メイドを愛する人達の「メイド展」 あなたにとってメイドって何? 

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「メイド」と聞いて、あなたはどんな想像をするだろうか?

主人に忠実で、立ち振る舞いも洗練されたメイド?
メイドカフェで、「萌え」 と「癒し」を提供してくれるメイド?
まるで仲の良い兄弟のようにしたってくれるかわいらしいメイド?
あるいは自らも武器を取って戦うメイドだろうか?

実際に存在し、多くの作品のキャラクターとしても取り上げられているメイド像は、もはや人の数だけ存在すると言ってよいかもしれない。

2017年9月14日(木)〜18日(月)の5日間、千駄木のギャラリー幻で開催された「メイド展」は、さまざまなな作家のメイド像が一挙に集結した場。

入口には、メイド服を着たマネキンが、「いらっしゃいませご主人様」といわんばかりに迎えてくれている。中に入ると、実際に同じ言葉で迎え入れられることになった。

ギャラリーの壁には、ずらりとメイド作品が展示されている。そしてすでに多くの作家さんが在廊していた。取材時にギャラリーにいらっしゃった数名の作家さんに、ご自身の作品について教えてもらうができた。作家さんとの距離が近いのも、このイベントの魅力である。

飴戸あむさんの作品はとても大きな「目」が特徴的。あむさんにとって、理想のメイド像が表現されているという。顔のパーツも鼻や口が小さくかわいらしく、それにより大きい目が強調されている。多忙であるため、一旦こうした展示などの活動は休止される予定だというあむさん。今回は、そんなあむさんの作品を観られるレアな機会といえるだろう。

植物と女の子をモチーフにした作品のほか、hachikaさんとのコラボ作品も実現。どちらかというと女性目線でのメイド像を表現したあむさんと、男性目線のhachikaさんのメイドさんが並ぶ。不思議と一見して違和感が無いのが不思議だ。

らいかさんの作品は、一見柔らかい表情で優しい雰囲気をしたメイドさんが描かれている。しかし、よく見ると、あるメイドさんはタバコを片手に持ち、あるメイドさんは向こうをむいて、スカートをたくし上げているのがわかる。他のメイドさんにも注意してみると、地べたに座り込んだり、ボーッとしているのが見て取れる。

そう、このメイドさん達はタイトルの「休息所」の通り、裏側で休息をとっているのだ。そんな時のメイドさんは表側での振る舞いとはうってかわって、とても自由奔放。女性なら共感を、男性には意外性をもたらしてくれる作品だ。

搾取」というテーマで、メイドという存在が他者によって搾取されている姿を表現した作品も。メイドの身体に触れている手は、男性のものだけでなく、女性のものもあるという。

実際にメイドとしてお仕事もされていたNAOYAさんが作成したカチューシャは、メイド経験だからこその着けやすさが考えられている。あえて細目につけることで、頭の締め付けを弱くしているのだそう。実体験から基づいて制作されたアイテムには、デザインに機能性があって使いやすいと言える。

モデル、パフォーマーである鉄観音サワラさん。今回は主催の帆呂(ほろ)さんハンドメイドのメイド服を着て、スタジオにて写真撮影を行ったそう。素敵なデザインのロング丈のメイド服。腰の編み上げの形がきれいで、帆呂さんは腰の「キュッ」としたところに「キューン」とくるそうだ。

販売されている写真は2種類だが、実際はもっと多くのパターンが撮影されたようで、どれもクールだった。メガネの奥から放たれる凛とした眼差し。端正なお顔立ちと清楚なメイド服がとてもよく似合っている。鉄観音サワラさんと帆呂さんとは、ほかのイベントで一緒になった際に意気投合し、こうした形でメイド展に参加することになったそう。