日本では他人に何かしてもらったら感謝の言葉を伝えるのがマナーとされており、これは幼少のころにまず教わる日本社会における道徳の1つだと言えるだろう。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本では他人に何かしてもらったら感謝の言葉を伝えるのがマナーとされており、これは幼少のころにまず教わる日本社会における道徳の1つだと言えるだろう。
 
 日本には「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるが、中国では親しい間柄であればあるほど、「礼儀」は不要という考え方が一般的で、親友に向かって「ありがとう」などと言えば、「他人行儀」で「よそよそしい」として、相手は逆に気を悪くする可能性もある。中国では親しい間柄であればお互いに「何でもしてあげて当然」なのだから、感謝など不要という考え方なのだ。
 
 感謝の言葉をめぐっては日本と中国では大きな違いがあると言えるが、中国メディアの光明日報は12日、日本人はどれだけ些細なことでも頭を下げて謝意を示すと伝え、日本の「他人への感謝」を教える環境について紹介する記事を掲載した。
 
 記事は、日本人は幼稚園や保育園の頃には「他人への感謝」を教育されると伝え、幼稚園で行われる子どもたちの誕生日会では両親に対して「産んでこれたこと」の感謝を学ぶと紹介。また、食事の際には「いただきます」と述べ、食べ物を作ってくれた人のみならず、食べ物の元々の命に対する感謝を学ぶことを伝えた。
 
 続けて、日本人と交流のある中国人ならば「日本人は非常に丁重であることを知っているはず」だと伝え、日本人から手土産や贈り物をもらう機会があるとし、こうした手土産は「自分の相手への感謝の気持ち」だと指摘。日本人は日常生活のなかで言葉で直接的に感謝を伝える他にも、様々な形で相手に謝意を伝えていることを紹介。こうした環境で暮らしているからこそ、日本人の子どもは感謝の心を身に付けることができるのだと論じた。
 
 また、中国でも近年は自分の子どもに「他人への感謝」を教えたいと考える保護者が増えているとしながらも、「子どもは親を映す鏡」であり、子どもに感謝の心を教えたいならば「自分が成長し、自分自身が他人への感謝を理解する必要がある」と伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)