経済評論家の山崎元氏

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 女尊男卑の時代である。飲食店の「レディースデー」は当然で、女性優先採用、女性のみの特例年金などもある。金融業界においても、まさかの女性専用サービスがあった。三井住友信託銀行の住宅ローン「リレープランフレックス」では、それに付随する女性専用「エグゼリーナ」というサービスで2つの特典が提供されている。

 特典の1つは医療費保障。借入金額が1000万円以上で借入期間が10年以上の契約者は、保険料の負担なしで、メットライフ生命の「ローン返済支援特約付新医療保障保険(団体型)」に10年間加入できる。万一、ケガや病気で入院したら、入院初日から1日あたり1000円が支給される。入院1か月なら約3万円だ。

 もう一つは、出産による金利優遇。出産後6か月以内に申し出れば、申し出から1年間、適用金利より年0.1%優遇される。

「働く女性を応援するというコンセプトで、2003年から提供させていただいています。今のところ、男性向けの商品を出す予定はありません」(同社広報)

 せめてイクメンに金利優遇してくれないものか。

◆女性専用老人ホーム

 昨今、老人ホームに入れないことが社会問題にまでなっているが、そんななかで女性限定の老人ホームも誕生している。

 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と有料老人ホームを展開している学研ココファンは、全国約100ある施設のうち、2施設を女性専用にしている。神奈川県藤沢市にあるサ高住「ココファンリビング湘南台」(全12室)はその一つ。

「当初は男女が入居する施設だったのですが、約5年前に入居者が女性だけになったことをきっかけに女性専用の運営に切り替えました。女性だけのほうがお風呂の時間などにゆとりが持て、入居女性からも『男性の目を気にせずに暮らせるのでありがたい』との声をいただいています」(同社・総合企画部)

 結果的に女性専用になっただけで、同社としては意識的に専用施設をつくる計画はないという。ただ、女性だけのほうが快適となれば、他社に波及していく可能性はある。老人ホームからも男は追い出されるのか。

 経済評論家の山崎元氏は、「女性優遇によって『弱いオヤジ』がどんどん生きづらい状況に追いやられている」と嘆く。

「女性向けの割引や特典といったサービスやそういうインセンティブは、オヤジにはありません。その反面、オヤジは女性に気を使わねばならない環境が強まっている。例えばセクハラ。女性がオヤジに『ハゲ』と言っても、セクハラにはなりませんが、オヤジが同僚女性の体形について言及すると、それが大問題になりかねない。

 オヤジが優遇されないのは本来、経済的強者だったからですが、近年は給料が伸びなくなり、それに対して『男のくせに甲斐性がない』と叱咤される。間違いなく弱いオヤジは生きづらい世の中になっています。女性優遇を進めるのであれば、その一方で、男性に掛かるプレッシャーを弱めてほしい。それが男女平等につながるのではないでしょうか」

 この女尊男卑社会を生き抜くためには、男らしさから解放される必要があるのかもしれない。

※週刊ポスト2017年5月26日号