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アメリカが4月に入って、原子力空母を朝鮮半島近海に派遣するなど、北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射に対して軍事的なプレッシャーを強めている。安倍晋三首相も「緊張が高まっている」という認識を示し、北朝鮮が新たなミサイル発射などを行うことに対する懸念が強まる中、「Jアラート」(全国瞬時警報システム)に注目が集まっている。

●サイレンの音は非常に不気味

内閣官房によると、Jアラートとは、弾道ミサイル発射や大津波などの緊急情報を人工衛星と地上回線の両方を使って、瞬時に伝達するシステムのことだ。

たとえば、弾道ミサイルなど、武力攻撃に関する情報は、内閣官房から消防庁のシステムを通して市区町村に提供されて、各地の防災行政無線(屋外スピーカー)が自動的に立ち上がる。その際に鳴るサイレンの音は非常に不気味だ。

また、消防庁は大手携帯キャリア3社と提携しており、その地域の住民には、「エリアメール」(ドコモ)や「緊急速報メール」(au、ソフトバンク)が届くことになっている。

●ミサイル関連で「Jアラート」が鳴ったら…

もし仮に、北朝鮮から弾道ミサイルが発射された場合、Jアラートは「鳴る」のだろうか。

内閣官房の担当者によると、北朝鮮からミサイルが発射されて、日本の領土・領海に飛来する可能性がある場合、Jアラートを活用するという。北朝鮮が2016年2月7日にミサイルを発射したときも、同日午前9時30分のミサイル発射に対して、9時34分ごろには「発射情報」が沖縄県内の住民に伝達されている。その手順は以下の通りだ。

「まず、ミサイルの(1)『発射情報』を発信します。その後、ミサイルが通過しただけの場合は(2)『通過情報』を発信します。万が一、領土・領海に落ちてくる可能性がある場合は(3)『屋内避難の呼びかけ』をおこないます」(内閣官房・担当者)

内閣府は、(1)「発射情報」の段階では、テレビやラジオつけて、指示にしたがって避難することをすすめているが、領土・領海に落ちてくる場合は(3)屋内避難を呼びかけるということだ。なぜ「屋内」なのだろうか。

内閣官房の担当者は「爆風だったり、いろいろなモノが飛んでくるおそれがあるからです。ベストなのは『地下』ですが、近くにあるとはかぎりません。だから、できるだけ堅牢な建物に入っていただきたいと考えています」と話した。

(弁護士ドットコムニュース)