2016年最後の日、奈良県のゆるキャラ「せんとくん」のツイッターアカウントから悲痛な訴えが投稿された。「実はこの公式アカウントと、非公式アカウントを比べるとフォロワーが24倍の差があるんだ。悲しい?(T_T)もっとがんばるね。」というツイートには、公式と非公式、両アカウントのフォロワー数が比較した画像が添付されており、話題を呼んだ。

ツイートは年末年始にも関わらず拡散され、2017年1月5日の午後6時の時点では3000回リツイートされている。

ツイートが拡散してフォロワーも増加


画像は公式アカウントから

まず、状況を整理すると、「せんとくん」を名乗るアカウントはツイッター上に数多く存在する。その中で特にフォロワー数が多く、多くの人が公式と勘違いしているのが、こちらの「非公式」アカウントだ。フォロワー数は1月5日現在7万6052人。

一方、奈良県庁が管理しているせんとくん関連のアカウントは2つ。まず、今回の発端となったアカウントで、ツイッター社の公式マークがついているのが「せんとくんのつぶやき」だ。フォロワー数は3518人で、非公式アカウントのおよそ24分の1である。

奈良県庁の担当者によると、こちらのアカウントでは、主に奈良県全体に関わる情報を発信しているという。

もう1つのアカウントが「せんとくん 《OFFICIAL》」で、こちらはせんとくんの活動報告などをメインに発信している。こちらは「せんとくんのつぶやき」よりもフォロワー数は多く、9463人だ。

奈良県庁に取材をしたところ、フォロワー数が多い方が非公式であったことが広がると、

「『え、そうなんだ』という声もありました」

と、非公式アカウントの認知度の高さを表す反応もあったと語った。

非公式なのに公式のように思われている現状に関しては、フォロワー数が多いこと、関西弁で面白いことを言いつつも、奈良県の情報を発信していることや、

「ツイッターが流行した時期にすぐにアカウントを作れるとよかったのですが、それは自治体では難しかったため、その間に出てきた非公式アカウントの方が受け入れられてしまったのではないか、と考えています」

などを原因として挙げた。

せんとくんのつぶやき」が2012年6月に、「せんとくん《OFFICIAL》」が2012年1月開設なのに対し、非公式アカウントは2009年7月から稼働している。約3年の差を埋めるのは難しいようだ。

しかし、今回のツイートが広まった結果、フォロワー数もかなり増えたのだという。

「トゥギャッターにもまとめられたりなど、注目が集まったせいか、ツイート前よりもフォロワーが3、400人ほど増えました」

話題になったツイート投稿時のフォロワー数が3145人だったのに対し、2017年1月5日現在は3518人である。

今後も、公式アカウントとしてより良い情報を発信し、認知度を上げることが目標だという。