1990年代には北京、天津、上海、広州の4都市にしかなかった中国の地下鉄が、今や地方の大中約40都市で営業開始、もしくは、建設中という大発展を遂げた。北京や上海などでは路線数が日本の東京にも引けを取らないほど増加しており、路線図をパッと見ただけでは東京なのか北京や上海なのか分からないレベルになっている。(イメージ写真提供:(C)Yulia Zhukova/123RF)

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 1990年代には北京、天津、上海、広州の4都市にしかなかった中国の地下鉄が、今や地方の大中約40都市で営業開始、もしくは、建設中という大発展を遂げた。北京や上海などでは路線数が日本の東京にも引けを取らないほど増加しており、路線図をパッと見ただけでは東京なのか北京や上海なのか分からないレベルになっている。

 中国メディア・今日頭条は10日、「喜ばしい! わが国の地下鉄が日本を超えようとしている」とする記事を掲載した。記事は、「わが国はどの方面で日本を超えようとしているのか」と問題を提起したうえで、日本のイベント列車や地下鉄路線図の画像を掲載。「列車の設備? いや違う」、「サービス? いや違う」、「路線の数? いや悪いが違う」とした。

 そして、「正解は、これだ」として日本の通勤ラッシュ時に駅員が乗客を押し込む様子の画像を示した直後に、北京の地下鉄におけるラッシュ時の状況を撮影した画像を複数掲載。そこには、広いホームに隙間がないほど埋め尽くされた人の波や、満員電車に到底入りきらないほどの客が乗り込もうとしている様子が写っている。日本と異なり乗る人と降りる人が同時に動くため、まさに「カオス」な状況だ。

 記事は「ラッシュ時の北京の地下鉄は、若い自分であっても痛くて死にたくなる」、「終点になってようやく空きができる」、「途中で降りられない」、「揺れるとみんなで他人に寄りかかるのが一番イヤ」などの苦悩を紹介している。

 地下鉄のラッシュといい、春節前の帰省ラッシュや渋滞といい、夏場のプールの芋洗い状態といい、中国の人の多さを想起させる事象は少なくない。まさに「殺人的」な北京の地下鉄ラッシュ、日本のようにオフピーク通勤や整列乗車の実施などによって緩和できるレベルではなさそうだ。(編集担当:今関忠馬)(写真は北京の地下鉄のラッシュアワー、写真提供:(C)Yulia Zhukova/123RF)