「ASKA 12」より

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 歌手のASKA(58)が、覚せい剤取締法違反の疑いで11月28日に逮捕されたことの波紋が広がっている。ASKAは先月25日に「盗撮、盗聴されている」と自宅から110番通報。しかし、駆け付けた警察官に支離滅裂な言動を繰り返したとし、警視庁が任意で尿検査を実施したところ陽性反応が出たため逮捕となった。ASKAは「事実に反します」と容疑を否認しており、同日にもブログで再三無実を主張しているが、突きつけられる現実は重いものとなりそうだ。

 ASKAは2014年5月に覚せい剤取締法違反で逮捕され、同年9月に懲役3年・執行猶予4年の有罪判決を受け、現在は執行猶予中だった。その後更生を誓い、音楽活動へも精力的に動いていたASKAは、ニューアルバムの完成間近をブログで逐一報告していた。先月27日には、12月末に新曲を動画共有サイト「YouTube」で公開すると発表していたばかりだったが、薬物依存からは抜け切れていなかったのか、これで復帰への道は大きく遠のいたといわざるをえない。

「逮捕直前までブログで積極的に制作の過程を報告するなど、復帰に意欲的だったASKAですが、精神は不安定そのものでした。ブログでもCD発表までの制作過程を忘れていた事実などが書かれており、一部では記憶障害も指摘されています。またASKA以上に大きく落胆したのは周囲の関係者です。大幅な発表延期は確実で、復帰そのものが立ち消えになる可能性も大きい」(音楽関係者)

 再逮捕の背景を見ても、ASKAの情緒が招いてしまった事実であることは否めない。自ら復帰への道を閉ざすこととなってしまった行為には、関係者も悔やみきれないところであろう。

■Chageも絶望でちらつく「解散」の2文字

 一方で、ASKAの再逮捕をもっとも悔やんでいるのは、元・相方のChage(58)である。翌29日にブログを更新したChageは、「事実だとしたら悲しい思いと悔しさでいっぱいになります」と心境を明かした。

 CHAGE and ASKAは、2009年に無期限の活動休止を発表。2013年に一時活動再開を発表したものの、ASKAの逮捕により実質休止状態が続いていた。過去には不仲説が報じられることもあった2人だが、Chageは自身のライブでCHAGE and ASKAの曲を披露するなど、ASKAの復帰を信じて待ち続けていた。関係者の間でも、ASKAの音楽活動が復活すれば、ユニットも復活するのではと密かに準備が進められていたともいわれている。

「ASKAのアルバム制作はチャゲアス復帰への足掛かりとなる予定だったそうで、制作費を投資した関係者も少なくなかったといいます。しかし、今回の逮捕により白紙に戻ったことで、多くの関係者が損害を被りました。チャゲアス復活が絶望的になったどころか、これまでChageが口にすることのなかった“解散”の2文字がいよいよ現実味を帯びてきそうです」(前出・音楽関係者)

 逮捕後に放送された『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)では、ASKAがChageを避けるように、直接会話をしていなかったとASKAの逮捕前の肉声を用いて紹介された。自らの音楽活動だけでなく、高校時代からの親友をも裏切る格好となった2度目の逮捕劇は、大きく暗い影を落とすことになりそうである。

文・真田栄太郎(さなだ・えいたろう)※1978年神奈川県出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ダークサイドリポート』(ワニマガジン社)、『週刊宝島』(宝島社)、『Hot Dog Press』(講談社)などに寄稿。現在は週刊誌の記者・編集者として事件、芸能取材に奔走する