あの曇天三兄弟が帰ってくる!! 舞台『曇天に笑う』出演 玉城裕規インタビュー
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スタイリング/ホカリキュウ ヘアメイク/芹川善美
“完ペキな人間“になりきる難しさ
――昨年2月に上演した『曇天に笑う』が早くも再演決定。決まったときのお気持ちから聞かせてください。
「よし、やったるぞ!」っていう感じですね。再演とはいえ、今回から加わるキャストもいますし、キャストが変わったら雰囲気も変わるので、ひとつの作品をまたイチから作って行こうっていう気持ちのほうが強いです。
――以前のインタビューでは、天火役を演じるのは難しかったとおっしゃっていました。
曇 天火という男は、完ペキな人間なので。……そうですね、難しいです。舞台本番ではもちろん、迷いは一切なくした状態で立つんですけど、稽古中はいろいろ試行錯誤しながら、迷いながらやっていました。
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――具体的に、どういうところが難しいのでしょうか?
天火は、人間として強い。弱い部分を見せないし、愛にあふれている。“THEパーフェクト”な男なんですよね。でも欠点がない人間って、まずいないじゃないですか。僕だってそこまで強くないから、そういう完ペキな人間になりきるのが難しかったです。
――なるほど…。では、天火について素敵だなと思うところは、どんなところですか?
『曇天に笑う 外伝』に描かれてるシーンなんですけど。おとん、おかんの墓の前で泣くところがめっちゃ好きです。初めて天火の弱い部分を見て「あぁ、やっぱりつらかったんだよね」って共感できました。
――今回は「ここを変えてみよう」みたいな演技プランはありますか?
演出家の(菜月)チョビさんが思い描く天火がしっかりあるので、その天火に「自分がやるからこうなる」というのがプラスアルファとして少しでも入れられたらな、と思います。せっかく機会をもらえたのであれば、より良くしたいって思いがあるので。
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――以前のインタビューで、初演に関して悔しさが残る部分もあるとお話されていましたが…
いろんな面でうまくできない部分があって…一番は、気管支をやられたことなんですけど…。だから共演者のみなさんには本当に「助けられた」っていう感覚が大きいですね。具体的にどう助けられたのかって説明するのは難しいんですけど、存在とか雰囲気づくりの面で、人間として素敵なキャストがめっちゃ多かったので。
――弟役の2人が素直だったというお話も。
まっすぐでしたね。それでいて自由(笑)。(三男・宙太郎役の百瀬)朔ちゃんのほうが年下なのに、(次男・空丸役の佐野)岳ちゃんよりしっかりしてるんです(笑)。岳ちゃんは天然だし、天真爛漫だから。2人には癒されました。
新キャストで空気も一変する!?
――今回は空丸役で植田圭輔さんが参加されますね。玉城さんから見た、植田さんの印象は?
かわいい!ですね(笑)。でも、かわいらしい外見から想像できないくらい、芯があって、きちんと自分を持っている役者さんです。年下ですけど、しっかりしているなと思います。
――植田さんが演じられる新たな空丸に対しては、どんな期待がありますか?
全部。何から何まで期待してるというか、楽しみですよね。どういう空丸になるんだろうって想像がつかないです。
――同じセリフや立ち回りでも、役者が変わればまったく新しいキャラクターになるんですよね。
ホントにそうなんですよね。キャストが変われば、立っているだけで雰囲気も変わるのに、その人がしゃべったり動いたりするわけですから、もう別のキャラクターと言っても過言ではない(笑)。
――お芝居の面では、植田さんはどういう印象ですか?
実は会話劇でがっつり絡んだことはあまりなくて…。だから今回が本当に楽しみです。以前に共演してから時間も経っていて、そのあいだに、ものすごいスピードで成長していると思うので、新しい植田圭輔が見られるんじゃないかとワクワクしています。
――ちなみに、植田さんのことを“ちゃんうえ”って呼んでいらっしゃるのはどうしてですか? 「僕を“ちゃんうえ”って呼ぶのは玉ちゃんだけ」って言ってましたよ(笑)。
アハハハ。なんでですかね、わからないです。意識したことなかった!
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――植田さんから、玉城さんはお酒を飲むのがお好きだとも聞いています(笑)。稽古後には、みなさんを誘って行ったり?
よく行きますね。ただ、お酒を飲むのが好きというよりも、その「場」が好きなんです。このカンパニー自体、飲む人が多くて、それで仲良くなったりするので。
――(安倍蒼世役の)細貝(圭)さんとも、飲みに行ってすぐ意気投合されたと。
そうです。初演の、稽古が始まる前の顔合わせのタイミングで取材があって、みんな集まったんですよ。そこが初対面だったのでお互いに気を遣いつつ取材を受けて(笑)、その後に殺陣の稽古で、稽古終わりに「飲みに行くか」ってなって。
――濃密な1日でしたね。
(風魔小太郎役の)小澤亮太とも初めましてだったんです。小澤亮太と細貝圭は、その日に仲良くなりましたね。距離が縮まるのがホント早かったです。
――すぐに仲良くなれるっていうのは、役への向かい方に共感できるとか、そういうことだったんですかね?
それもあると思うんですけど、何が理由なのかはわからないです(笑)。細貝圭は人間性がおだやかで、亮太も優しくてムードメーカーなので。自然に、でしたね。