埼玉県朝霞市で行方不明になった女子中学生(15)が2年ぶりに保護された事件で、未成年者誘拐の容疑で逮捕された寺内樺風容疑者(23)。その供述から、監禁生活の全容が次々と明らかになってきている。

3月31日に逃走先の静岡・伊東市からヘリで移送された際も、しっかりとした足取りで前を見据えながら朝霞署へと入っていった寺内容疑者。その様子は終始、落ち着いたものだったという。

逮捕こそされたが、中学生にとって2年という歳月はあまりに長かった。さらに事件後もトラウマに悩まされる可能性も残っている。果たして少女の人生を狂わせた“非道の罪”は、どうなるのか。だが、弁護士の山口宏氏はこう語る。

「未成年者誘拐の最高刑は7年です。しかし今回のケースでは、少女を車に乗せたときも暴力をふるった様子はありませんし、半分以下の2〜3年の懲役という判決になる可能性が高いです。その後のアパート生活で容疑者が暴力をふるっていれば量刑を加算できますが、立証は難しいかもしれません」

また日大名誉教授の板倉宏氏も「軽すぎるという印象があるかもしれませんが、私も3年程度の実刑判決になると見ています」と語っている。

なんと彼女の一生を狂わせたにもかかわらず、たった3年の懲役だというのだ。刑務所に収監されても、すぐ世間に戻ってくる……。それは少女にとって恐ろしいことだろう。

寺内容疑者はカッターナイフで首を切り自殺をはかったが、結局死にきれなかったという。逮捕時には遺書とみられるメモを持っており、そこには「家族に申し訳ない」と綴られていた。前出の矢幡氏はこう語る。

「これは自分の両親に対しての言葉で、被害者への謝罪や罪の意識がまったく感じられません。自分され良ければそれでいいという、相当自己中心的なゆがんだ性格を持っていると思われます」

寺内容疑者が背負うべき罪の大きさは、3年で収まるべきものではないはずだ。