by Grzegorz Żukowski

スパムメールは、届いても返信せずに放置しておくのが一番よい対処方法ですが、「スパムメールにしつこく返信してみたらどうなるのか?」を試した人が登場しています。

This is what happens when you reply to spam email - YouTube

やってみたのはイギリスのコメディアン、ジェームズ・ヴィーチさん。

ある日ヴィーチさんの元に、ソロモン・オドンカと名乗る人物から「ビジネスに関する提案があります」というメールが届きました。ヴィーチさんはスパムメールを受信しないようにフィルター設定をしていたのですが、なぜだかフィルターをすり抜けて受信ボックスにメールが届いていたそうです。

「これはスパムメールに違いない」と確信したヴィーチさん。いつもなら軽くスルーしてメールを削除するところですが、試しにスパムメールに返信してみることにしたそうです。

「ソロモン、あなたのメールに興味をそそられました」と返信。

するとさっそく「ジェームズ・ヴィーチさん、あなたに金塊をお届けします」と返信が届きます。

「相手は本気の詐欺師だ」と気付いたヴィーチさん。

「その金塊はどれほどの価値がありますか?」と返信します。

ソロモンからの返信は「金25kgほどの少量から取引を始めましょう。およそ250万ドル(約2億8600万円)の価値があります」。

「ソロモン、取引をするなら、もっと大きくいきましょう。私には大きな取引ができますよ。どのくらいの量の金塊を持っているのですか?」と、ヴィーチさんは相手をどんどんあおっていきます。

ソロモンから届いたメールは「私が持っている金塊の量は問題ないのですが、あなたがどのくらいの金塊を扱えるかが問題になります。試しに50kgから取引を始めましょう」というもの。

この返信に、ヴィーチさんは嫌そうな顔。

「50kgだって?最低でも1トンは取引してもらわないと!」と返信。

ヴィーチさんの反応に、スパム業者も思わず「あなたは一体何の仕事をしているのですか?」と返信。

「私はヘッジファンドの支店長をしています。金塊を扱うのは初めてではないんですよ」

もちろんウソです。

すると「うちの会社では、高額の取引が難しいんです」との返信。

ヴィーチさんは、「ソロモン、私はあなたを信頼しています。大きな取引で得られる利益を可視化するので少し待ってください」と返信。

そして手書き感満載の雑すぎるグラフをソロモンに送信します。

会場でスピーチを聞いていたお客さんの中には、笑いすぎて涙が出てくる人も。

「ソロモン、取引に役立つグラフを添付しました。アシスタントが試算したところによると、このグラフは非常に正確で、我々の取引でできるだけ多くの金塊を扱うべきだと思います」

ソロモンからの返信は「取引がうまくいくとうれしいです。取引が成功すれば会社から仲介料をもらえるんです」と、グラフには全く触れず前向きなメッセージが届きます。

「いいですね!かせいだお金は何に使うつもり?」

「不動産ですよ。あなたは?」

次の返信をどのように書くか、ヴィーチさんは長い時間をかけて考えたそうです。そして、「フムスです。セインズベリーズのフムスは、30種類ほどの味があって、ニンジンをディップして食べることもできるんです。ソロモン、君は試したことがある?」と返信し、取引の話題からどんどんずれていってしまいます。

するとソロモンは「もう寝なくては。また明日。よい夢を」と返信。

「ボンソワール、僕の金塊!」とヴィーチさん。

ヴィーチさんは金塊についての詳しいメールを待っていたものの、ソロモンから返信が来なくなってしまったので、さらなるアプローチを試みます。「ソロモン、僕はセキュリティに関して心配しています。メールの文章は一部分を暗号化しよう」とメッセージを送信。

ソロモンは「いいアイデアだね」と同意。

ヴィーチさんは「弁護士」「銀行」「法律」「権利」「文書」「ウエスタンユニオン」を暗号化することを提案。

それぞれの単語を「クマのグミ」「チョコエッグ」「コーラグミ」「ピーナッツ味のM&Ms」「ゼリービーンズ」「トカゲグミ」に置き換えて、ヴィーチさんのことを「キットカット」とコードネームで呼ぶように、というメールを送ります。

しかし、またしてもソロモンから返信が来なくなってしまいました。ヴィーチさんが「ソロモン、取引をまだ続けられますか?キットカット」とメールを送ると……

長々とした返信がかえってきました。その中身には「資金を援助してもらえますか?銀行経由で1500ポンド(約25万円)を送金してください」という一文も。

「プライバシー面が心配だから、メールに暗号を使ってよ」とヴィーチさん。

すると、ソロモンからの返信がお菓子の名前だらけの意味不明な内容に。

詐欺をはたらこうとした相手を逆に手玉に取ることに成功したヴィーチさんは、にっこりと笑顔。

スパムメールに返信するおもしろさを実感したヴィーチさんは、ソロモンのメール以来3年間にわたってスパムメールに片っ端から返信しているそうです。

ヴィーチさんお気に入りのスパムメールは、ネルソン・マンデラの第2夫人を名乗る人物から届いたもので、「マンデラ氏の健康上の理由で4500万ドル(約52億円)の資金を国外へ移動させたい」、という内容。

本人証明のために、メールの添付ファイルでパスポートのコピーや……

謎の保証書のコピーまで送られてきたそうです。

しかし、保証書のハンコ部分はただの真っ赤なマークが書かれているのみ。まるっきりウソのメールというわけです。

ヴィーチさんは第2夫人を名乗る人物宛に、「メールを読んで悲しい気分です。ネルソン・マンデラが3カ月前に亡くなったと聞いているので、彼の健康状態は非常に悪いのでしょうね」と皮肉たっぷりに返信。

すると相手からは「銀行家の指示に従ってください」という文章と共に、黒人の間でよく使われるあいさつ「one love(じゃあね)」とメッセージが届きます。

ヴィーチさんは、ジャマイカ人歌手のボブ・マーリーの曲名にかけて、「no woman, no cry(女よ、泣くんじゃないぞ)」と返信。

「私の銀行家に渡すお金として3000ドル(約35万円)が必要なの。じゃあね」

またもボブ・マーリーの曲名にかけて「I Shot the Sheriff」(俺はあの保安官を撃った)の歌詞を送信。

ただし、軽い気持ちでスパムメールに返信しはじめると、毎日何千通ものスパムメールが届くようになるので、専用のメールアドレスを新しく作って遊ぶのがオススメとのこと。