【ファンキー通信】パンツが土俵に上がる日は来るか

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 日本の国技といえば相撲。この歴史と伝統ある相撲界で今、ひそかに騒がれている“相撲パンツ問題”って知ってる? 相撲界のプロとアマで相撲パンツをめぐり、熱いバトルが繰り広げられているのだ。

 ここで相撲界の組織をちょっと解説しておこう。日本の相撲界は大きくふたつの組織に分けられる。ひとつはテレビ中継でおなじみ『大相撲』を運営するプロ組織、(財)日本相撲協会。そしてもうひとつが全国の学生相撲などを支援するアマチュア組織の(財)日本相撲連盟だ。このプロとアマ、二つの組織が日本の相撲界をリードしてきたのだが、最近は「人前で裸になることへの抵抗感や少子化の影響で、特に子供たちへの相撲人気はいまひとつ。競技人口も減少傾向にある」(わんぱく相撲全国大会実行委員会)という。

 そこで、そんな相撲人気低下への打開策としてアマ側が導入を始めたのが、問題となっている「相撲パンツ」なのである。「正式な商品名は『アンダーパンツ』。色は黒で、形はよくサッカー選手が履いているようなスパッツ型。これをまわしの下に着用します」と教えてくれたのは、連盟の認定を受け、同製品を販売している三福商事株式会社の関係者。導入のきっかけについて(財)日本相撲連盟・専務理事の大野さんは「野外で、しかも人前で裸になることへの抵抗感が少しでもなくなればいい。相撲競技人口の底辺拡大につながってくれれば」と語ってくれた。

 しかしそこに“待った!”をかけたのが、プロ側の(財)日本相撲協会だ。「相撲のルール規定の中には『力士はまわし以外のものを着用して土俵に上がることはできない』という記載もある。国技館には国技館の伝統、ルールがある。パンツを履いたものを国技館の土俵に上げるつもりはない」((財)日本相撲協会・広報部)という見解。あくまでも国技館で開催される大会に限ってとのことだが、この問題についてはプロ、アマで話し合う予定はまだないというから、今後の動向が注目される。

 ただ、相撲界の発展を願っているのはプロもアマも同じ。そうであれば、今こそプロ、アマの垣根を越えて、日本の相撲界の発展のために“がっぷり四つ”に組む必要があるのでは? (文/verb)