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 2015年4月18日、安倍晋三総理(60)が主催する「桜を見る会」が新宿御苑で開催された。例年、1万人前後の著名人が招待される催しだが、今年はその意外な顔合わせが物議を醸しているようだ。

「政策が違うから会わないのは幼稚」

 まずは、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光(49)。3月29日放送のラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)内で、米軍基地の辺野古移設をめぐり翁長雄志沖縄県知事(64)に会おうとしない安倍総理を「バカ野郎」と発言。これを受けて、一部の“ネトウヨ”からは不快を示す書き込みが集まり、左翼的なイメージがついていた太田だったが、バカ呼ばわりした首相の宴に堂々参加。翌日放送の同番組では「政策が違うからって会わないっていうのは、あまりにも幼稚」と弁解したものの、安倍首相と並んで舌を出したおどけた表情の写真が公開されて、太田の節操の無さにネット上では批判の声が出ている。

 同じく「反日思想の持ち主」ではないかと囁かれているお笑いコンビ8.6秒バズーカーもまた、この会の招待客の中にいた。

 8.6秒バズーカーと「反日思想」とが結びついた理由は、ネット上で浮上した複数の憶測から成り立っている。略して「ハチロク」とも呼ばれるコンビ名の「8.6」は、広島に原爆が投下された日を意識しているのではないかという説から始まり、持ちネタである「ラッスンゴレライ」は、米軍が原爆を落とす際に使用した号令である「落寸号令雷」からきているのでは……といったもの。

 また、ボケ担当・はまやねん(24)が「過去に原爆ドームでダブルピースをしていた」という書き込みや、広島にある原爆の子の像がネタ中にするポーズに似ている、とする説も。

吉本担当者は“反日説”を全面否定

 4月22日発売の『週刊新潮』(新潮社)は、8.6秒バズーカーと安部総理の見開きショットを掲載し、これらの“疑惑”に迫っている。人気フレーズ「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん」と絡めて、米軍機B29の中に「CHOTTO MATTE」とペイントされた機体が存在していたとされる写真については「コラージュではない」(軍事評論家)としつつも、戦時中に基地で働く日本人が使っていた「待って」や「大丈夫」という言葉を面白がって描いた可能性を指摘している。

 世間を賑わせている憶測に対して、吉本興業の担当者は「ネットに出ている反日疑惑なんてあり得ない」と説明。コンビ名の由来は元々言われている通り、50メートル競走をした結果の記録が8.6秒だったことから付けたことを強調している。

 人気者や事象を巡っては、必ずと言っていいほど浮上する“陰謀論”。ネットでは「そんなこと考える脳は無いだろ」という書き込みもある。8.6秒バズーカーはネット配信番組「よしログ」に出演し、“反日”にまつわる噂を正式に否定したが、数々の噂の真相は果たして──。

(取材・文/黒澤青)