4日、弁護士事務所が用意したハイヤーで地裁入りする堀江被告。(撮影:吉川忠行)

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「起訴状に書かれたような犯罪を行ったことも、指示したこともない」──。ライブドア事件で、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた同社元社長の堀江貴文被告(33)は4日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれた初公判で、こう述べて起訴事実を否認、無罪を主張して検察側と全面的に争う姿勢を明確にした。

 また、罪状認否では、ライブドアの主な業務が「企業の合併・買収」ではないことを主張し、「起訴状は最初から悪意で書かれていて、このような起訴は心外です」と検察側を批判。検察側が冒頭陳述を読み上げている間、落ち着きがない様子で検察官を見つめていたという。

 弁護人によると、堀江被告は不慣れではあるが落ち着いた様子で初公判に臨んだ。正午ごろに一時閉廷した直後には、罪状認否に対して裁判所側とのやり取りが少なかったことに意外そうな態度を示したという。お昼は、弁護士事務所の職員が銀座のデパートで調達したウニやカニがのった海鮮ご飯を食べた。翌日もある公判の昼には、被告の希望で焼肉弁当を予定しているようだ。

 ライブドア時代には「シンプル」を強調してTシャツにジーンズ姿が多かった同被告も、この日を「晴れの場」としているだけに、新調したスーツに身を包んで臨んだ。法廷に入る廊下のところで、「こんな感じかな」と慣れない手つきで自ら用意した青いネクタイを締めたという。

 今朝は7時ごろ、六本木ヒルズの自宅ではない都内某所で起床。軽く運動をした後、普段は口にしない朝食をとった。弁護士事務所が手配したBMWのハイヤーで地裁に向かう途中、「夜12時過ぎまで冒頭陳述書のコピーがかかったよ」と弁護士が語りかけると、同被告は「大変ですね、それは」と答えるなどのやり取りがあった。

 堀江被告は現在もライブドアの筆頭株主として株を保有しているが、弁護人には売買についての相談もなく、当面放出する意向はないようだ。同被告は、混乱を避けるためにしばらくは六本木ヒルズの自宅には戻らず、都内某所から東京地裁に通うとしている。【了】

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