7割以上の人が“日本人の美徳”に「礼儀正しさ」や「謙虚さ」を挙げている一方で、5割が日本人がもともと持っていた品格や道徳観が失われつつあるのではという危機感を抱いていることが、インターネットリサーチサービス「gooリサーチ」の最近の調査で明らかになった。

 「国家の品格」(藤原正彦著・新潮社)や「日本人の品格 新渡戸稲造の『武士道』に学ぶ」(岬竜一郎著・PHP研究所)のような、日本という国やそこに住む日本人の品格や道徳観に関する書籍に5割近い高い関心が集まっている昨今。それでは、実際に「品格」や「道徳観」といった概念を表すのに最も相応しい表現で、「日本人が元来持っている」と思われるものは何かとの問いに、「謙虚さ」(73.9%)と「礼儀正しさ」(72.8%)を挙げる答えが最も多く、以下「情緒を重んじる」(64.9%)、「思いやりの気持ち」(63.1%)と続いている。

 また、最も多くの人が「日本人が失いつつある」と感じているものが、「礼儀正しさ」(54.1%)だった。続いて「謙虚さ」(47.5%)、「思いやりの気持ち」(45.3%)、「恥ずかしいことをしないという考え」(45.1%)の順。さらに、「日本人が残しておくべき」と思うものでは、「礼儀正しさ」(66.1%)と「思いやりの気持ち」(66.0%)が高い割合を示し、「謙虚さ」(53.5%)が続いた。

 一方、「日本人がもともと持っていない」考え方・主義では、「個人主義」(56.0%)が最も多く、そのほか「実力主義」(37.8%)、「合理主義」(36.2%)となっている。「日本人が取り入れるべきでない」考え方はといえば、「個人主義」(27.5%)、「競争社会」(21/9%)、「合理主義」(14.1%)と、日本人が元来持っていないとされる欧米的な考え方を否定する答えが目立った。 

 調査は、19歳から70歳以上までの同リサーチ登録モニターを対象に、5月26日から28日まで、インターネットアンケートの形で実施され、2114人から有効回答を得た。【了】

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