新小型車『ラクティス』の発表会見で、ハイブリッド車戦略を強調するトヨタの渡辺社長(撮影:吉川忠行)

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トヨタ自動車<7203>の渡辺捷昭社長は3日、新型コンパクトカー『ラクティス』の発売発表会見で、ハイブリッド車(HV)の技術開発で欧米の有力メーカーが相次いで提携を表明していることに「傾向としてはいいこと。こういうものはお互い切磋琢磨(せっさたくま)して、よりよいものを作っていくことが環境やエネルギーの問題にはいいこと」との見解を示した。

 エンジンとモーターを併用して走るハイブリッド車技術については、9月7日に米ゼネラル・モーターズ(GM)とダイムラー・クライスラーの提携にBMWが参画すると発表。9月13日には独フォルクスワーゲン(VW)とポルシェが共同開発で基本合意するなど、先行するトヨタに迫る欧米勢の包囲網が出来上がりつつある。

 また、6300万台超の世界自動車市場でハイブリッド車はまだ「全体需要の1%にも達しておらず、ニッチとしかいえない」とする9月22日に行われた記者会見でのゴーン日産自動車社長の発言に、渡辺社長は「まともに反論するつもりは全くない」と一蹴。「燃費や性能面では、われわれとしてはいいものができていると思うし、改善の余地はこれからも考えていきたい」とハイブリッド車の生産・販売を「2010年までに世界で年間100万台規模」とする目標を改めて強調した。

 10月21日から千葉市の幕張メッセで開催される「第39回東京モーターショー」でも、同社は環境性能や安全性の先進技術に『ときめき』『かがやき』を与える車を出品するという。渡辺社長は「われわれの技術のマイナス部分は限りなくゼロに、いいものは限りなくマキシマイズ(最大化)したい」と意気込みを示した。【了】

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