フルセットの末、全仏初勝利をようやく手にしたミスキナ/全仏第5日

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 失意の全仏をすごしているアナスタシア・ミスキナ(ロシア)。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ初日のシングルス、地元フランスのタチアナ・ゴロビンと組んだ3日目の女子ダブルスといずれもフルセットの末、初戦で敗退していた。

 しかし5日目にしてようやく、待望の初勝利を手にした。ヨナス・ビヨークマン(スウェーデン)と共に結成した混合ダブルスの初戦。相手は、地元フランスの注目を集めるアリズ・コルネ(15歳)とガエル・モンフィス(18歳)の10代ペアだ。

 第1セットは若さ=勢いの前に、第4シードのミスキナ・ビヨークマン組は3−6と落としてしまう。昨全仏シングルス女王のミスキナは、ミスに苛立って大きな声を出したり、時にはラケットを投げつけたり。まるで想い出の地で思い通りにプレーできない自らの姿に、苛立っているかのように。

 状況が好転し始めたのは第2セット開始直後。コートの中で唯一の30代ビヨークマン(33歳)の経験に裏打ちされたプレイと的確なアドバイスによって、ミスキナのプレーにも安定感が出てくる。こうしてこのセットを6-2で取り返すと、第3セットに入っても女王組は落ち着いたプレーを展開。「Allez!Allez!!」と地元10代ペアの奮起を促す声援にも負けず、最初のマッチポイントであっさり勝敗を決した。

 灼熱のローランギャロスで、ミスキナは3度目の正直、フルセットまでもつれ込む戦いをついに制した。試合後サインを求めるファンからの「Nice Play!」の声に、ようやく笑顔を取り戻した1日となった。