宮城県気仙沼市仲町で時計店を営む川口憲一さんは2011年1月、アキレス腱を断裂した。これが後の運命を左右することとなった。川口さんは震災当日、午後2時から病院で診察を受け、帰宅中。目の前の交差点を左に曲がれば、自宅だった。 「車のタイヤが浮き上がってバウンドするほどの揺れだった」。   一瞬、左折して貴重品を取りに帰ろうかと考えたが、とっさにハンドルを右に切り、高