捨て身の再出発、「性能・機能」を控えて「使いやすさ」「美しさ」でiPhoneを追いかける新生Galaxyのここがスゴイ

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サムスン電子のGalaxyシリーズ最新モデル「Galaxy S6」と「Galaxy S6 edge」が日本でも発表になった。海外では4月10日に販売が始まったが、日本でも4月23日からNTTドコモとKDDI auが販売を始める予定だ。

毎年新製品が発表されてきたGalaxyシリーズの最上位機種は、最先端の技術を搭載し、ほんの2-3年前までは間違いなく世界中で大ヒットを飛ばした製品だった。しかし最近のフラッグシップモデル「Galaxy S4」「Galaxy S5」はどちらも新しい機能を詰め込み、十分すぎるほどの性能を搭載していたにも関わらず、以前ほどの勢いは感じられなかった。

今やすべての消費者がてんこ盛りの新機能を求めているわけではない。
また最近のスマホは箱を開けても説明書は入っていないという仕様に変わっている。せっかく搭載した新機能も、ユーザーがネットで使い方を調べなくては使えないようでは宝の持ち腐れだ。

実は、こうした問題は、何もサムスン電子だけのことではなく、ソニーやHTC、果てはアップルのiPhoneに至っても同じで、ここ最近スマホの新製品にも言えることでもある。


機能重視の姿勢を捨て去り、ゼロから開発しなおしたGalaxy S6Galaxy S6 egde


今回サムスン電子が発表した2製品「Galaxy S6」と「Galaxy S6 edge」は、これまでのそうした「機能最重視」の姿勢を一気に捨て去ったのだ。
発表会でも性能の数値に触れることはほとんど無く、「仕上げの高さ」「使いやすさ」を大きくアピールしている。

まず仕上げの高さは、プラスチック部品を無くしてガラスと金属だけで表面を覆う本体を採用した。実際に手に取ってみると、従来のサムスン電子製品にあった「安っぽさ」が一切なくなっている。日本モデルは同社のロゴすら廃止し、デザインと質感だけで勝負するという意気込みすら感じられる。しかも裏側はガラスの下に特殊なフィルムを入れており、光の当たり具合によって同じ色とは思えない様々な表情を見せてくれる。「徹底的に美しさにこだわった」、これは今までの同社製品には無かった初めての試みだ。


背面はガラスの下に光学フィルムを配置。光りの当たり具合で色合いが変わる美しさ


そして性能面では、高速なCPUや大容量のメモリを搭載しているものの、それはあくまでもスマホの快適な操作のためだという。つまり「こんなに速いCPUを搭載している」という説明は無く、「いつでも即座にカメラが起動する」といった、快適なユーザー体験を提供するためにスマホの性能が引き上がっている、という説明をしているのだ。

特に強化されたのがカメラの使い勝手で、ロック中でもWEBを見ている時でもどんな時でも、ホームボタンをダブルタップするだけでカメラが起動する。その速度は0.7秒と、体感では一瞬で起動すると感じるほど高速だ。またカメラのレンズはとても明るく、暗いシーンでも納得のいく仕上がりの写真が撮れる。フロントカメラは手のひらを開くとセルフタイマーが起動するので、もうシャッターすら押す必要はないのだ。


押すだけでキレイ、自撮りも簡単なカメラは誰にでも使いやすい


カメラ以外の機能も高速化されサクサクと気持ちよく動くので、スマホを使うのが楽しくなるだろう。
操作(UI)が簡略化されて使いやすくなり、デザインでは持つことに喜びを感じる美しいGalaxy S6Galaxy S6 edgeは、iPhoneシリーズのように1年後も2年後も使い続けることのできるスマホに生まれ変わった。
日本での発売と、ユーザーや市場の反応が非常に楽しみだ。


山根康宏