アメリカを代表するスポーツメディア<ESPN>が、イチロー選手のマイアミ・マーリンズでの役割や影響について、キャンプを通じての選手や関係者のコメントなどを交えて紹介している。

今シーズン「第4の外野手」としてマーリンズと200万ドル(約2.3億円)で契約したイチロー選手は、昨年25歳で388億円の大型契約を更新したジャンカルロ・スタントン選手、2014年のゴールドグラブ賞受賞者クリスチャン・イエリッチ選手、昨年23本のホームランを打った強打者マーセル・オズナ選手というMLB屈指の外野陣の控えだが、<ESPN>は彼らにとっても長いシーズンを過ごすために「この41歳の控えのベテランプレイヤーに投資する価値はある」としている。

そんなライバル選手たちとの関係も良好だ。イチロー選手が242安打を記録し、新人王とアメリカンリーグMVPを獲得した2001年には9歳だったイエリッチ選手は、マイアミとの契約更新日にイチロー選手をお母さんに紹介できたことを誰よりも喜んだという。そして、「イチローがどのように準備しシーズンに備えてきたかを目の当たりにした。本当に素晴らしいスプリングキャンプを我々は過ごしている」と、ベテランとの充実したキャンプについて語っている。

オズナ選手もスペイン語でイチロー選手と頻繁にコミュニケーションをとり、親密な関係を築きつつある。また、多くの選手たちにイチロー独特のストレッチ法や風変わりなウェイトトレーニング、5本指ソックスなど様々な形で影響を与えており、スタントン選手はその様子を「ヨガのインストラクターのようだ」とたとえた。

また、イエリッチ選手は「ゴムバンドのように柔軟な肉体」と評すなど、過酷なメジャーの162試合を怪我なしで乗り越えるイチロー流の肉体作りのルーティンは、チームに驚きを与えているという。

球団もイチロー選手に対するリスペクトを欠かさない。デビッド・サムソン球団社長、マイケル・ヒル編成本部長、ベースボールオペレーション部の代表、さらにダン・ジェニングスGMが揃って東京で会見を開いたことが何よりの証拠であり、ブレット・バトラーコーチも「第4の外野手という表現をされるが、彼は他のどのチームメイトと同じく重要な存在だ」と語っている。

いずれにしてもイチロー選手とマイアミとの関係は極めて良好で、彼はまだ「何かをタンクに残している選手」であり、マーリンズとともに素晴らしい夏のシーズンを過ごす可能性があると予測している。