世界の「個性的な名前」とは……

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 明治安田生命保険が先日発表した「名前ランキング2014」によれば、今年命名された名前第1位は、男の子が「蓮」、女の子が「凛」「遥菜」とのこと。最近では、意外とシンプルな名前が流行しているようだ。しかしここ数年、日本では漫画の登場人物にちなんだファンシーな名前(空理鈴・くりりん、月・らいと等)や暴走族の当て字のように気合の入った名前(羅魅愛・らびあ、龍一武・らいむ等)、大事な子供に?誰とも被らないように?と、斬新な名前を命名する親も多く、教員が学級名簿を読み上げる際に読み方が分からないという話もよく耳にする。

 しかし、こうした現象は何も日本だけで起きていることではない。英ミラー紙が世界で「出生証明時に受理を拒否された」個性的な名前をリストアップしているので、ここに紹介したい。

1.TOM(トム)

 ポルトガルの当局は出生証明時に「トム(Tom)」という名前で登録することを禁止した。トムは本来トーマス(Thomas)の略称であり、トムは名前として認められないという事だろうか。

2.Elaine(エライネ)

 今年サウジアラビアで拒否された名前。中東随一の保守性で知られるサウジアラビアでは、西洋風の名前やプリンスといった王家の称号を名前に使うことは禁止されている。

3.Facebook(フェイスブック)

 数年前、メキシコのソノラ州が公表した「過去の受理拒否リスト」の中に含まれていた名前。拒否した理由は「いじめなどの差別を受ける可能性があり、また意味がない」というものだった。

4.@(アットマーク)

 中国の夫婦が息子にワン・アットマーク(Wang @)という名前をつけようとした。ちなみに中国ではアットマークはアイ・タと発音され、彼を愛する(爱他)という素敵な言葉の響きに似ていたため命名しようとしたとのこと。しかし、そんな親の願いもかなわず、受理は拒否された。

5.Robocop(ロボコップ)

 これは3と同じソノラ州の禁止リストに入っていた名前。昨年にはスクリーンで復活も遂げたロボコップだが、ノリだけで決めてはダメという事だろうか。

6.Talula Does The Hula From Hawaii(タルーラ・ダズ・ザ・フラ・フロム・ハワイ)

 直訳すれば「フラダンスを踊るハワイ生まれのタルーラ」という事だったが、命名しようとした夫婦はニュージーランドの夫妻。もう少し伸ばせば「寿限無寿限無〜」を連想させる力作になったかもしれない。

7.Traffic(トラフィック)

 意味は「渋滞」。これもメキシコのソノラ州である。確かに渋滞が酷いメキシコだとはいえ、子供の人生が渋滞してしまってはいけない。

8.Linda(リンダ)

 これは2と同じサウジアラビア。欧米ではごく当たり前の名前だが、それ故にサウジではダメなのだろう。


9.Adolf Hitler(アドルフ・ヒトラー)

 こちらは実際に命名された名前。アメリカ人のネオナチ、ヒース・キャンプベルは息子にアドルフ・ヒトラーや、エヴァ・ブラウン(ヒトラーの晩年の恋人)と命名。ある日、アイスクリーム屋で販売を拒否された(カップに名前を書いて渡す方式)ことから、論争に発展。最終的に議論は「なぜ当局はこんな名前を受理したのだ」と怒りの声が噴出した。

10.Alice(アリス)

 これも2と同じサウジアラビア。理由は言わずもがな。

11. Lady Di(レディ・ダイ)

 これは3と同じ、メキシコ、ソノラ州。レディ・ダイとはダイアナ王妃の愛称だが、意外とメキシコも厳しい。ちなみにダイアナはOKとのこと。

12.Metallica(メタリカ)

 こちらはスウェーデンで拒否された名前。しかしこれは一概に「悪い名前」とは言えないため、その後、議論に発展。ビートルズなら大丈夫かもしれないとの声も。

13.Circumcision(サーカムシジョン)

 意味はズバリ割礼。これもメキシコ。

14.Brfxxccxxmnpcccclllmmnprxvclmnckssqlbb11116(読み方は不明)

 再びスウェーデン。これはスウェーデンの厳しすぎる命名ルールに反抗したもの。パスワードに使えばセキュリティレベルは最高かもしれない。

15.James Bond(ジェームズ・ボンド)

 これもメキシコ。そもそもが英雄的な人名であり許されても良さそうだが、メキシコ当局は意外に保守的なのだろうか。

16.Sex Fruit(セックス・フルーツ)

 またもやニュージーランド。子供はさながらセックスの果実だという意味だろうか。

17.Terminator(ターミネーター)

 ラストはやはりメキシコ。拒否されていなければ、立派な警官になって麻薬組織と戦っていたかもしれない。

 いかがだろうか。明らかにダメだろうというモノから、拒否される理由が納得できないモノまで、じつにさまざまな名前が拒否されている。我が子に対する愛の形は、人それぞれということだろうか。

(取材・文/)