台湾で、ネットユーザーが再発見した情報がたちまち広まった。「日本の牛丼大手チェーンのすき家が、台湾に出店する」――。「多くの消費者が期待」(国営・中央社)、「(牛丼大手では唯一、台湾に進出していた)吉野家の独占を打破!」(Yamニュース)など、多くのメディアが4日付で報じた。

 人材斡旋(あっせん)会社「1111人力銀行」のウェブサイトに「台湾善商有限股フェン公司(すき家)」の求人ページが設けられていた。同サイトのデータによると、所在地は台北市内で、台北市政府が会社登記を承認している。ちなみに、「台湾善商有限股フェン公司」は「台湾ゼンショー株式会社」の意だ。(「フェン」はにんべんに「分」)

 ネットユーザーが気づいて投稿。それにメディア各社が飛び付いた。中央社は「台湾牛丼市場はこれまで吉野家によって25年間独占されてきた」と紹介した上で、「『選択肢が増えて楽しみ』と多くの牛丼ファンは今から胸をワクワクさせている」と、久しぶりの牛丼大手の台湾進出に寄せる台湾人の喜びを強調した。

 Yamニュースは「台湾善商」の社長の言葉として「6月に店長を募集したが、(応募が相次ぎ)予定人数はすぐに埋まった」、「まず、管理職の訓練をするつもりだ。年末には台北市内に1号店をオープンする計画」などと紹介した。ちなみに、「1111人力銀行」のページでは、「募集期間はすでに終了」と表示されている。

 ただし、「開店時期は未定」としている報道もあり、「台湾すき家」の具体的な動きについては、各社でばらつきがある。

 Yamニュースは「すき家」をローマ字で「SUKIYA」と表示した上で、大陸部では「食其家」と表記されていると紹介した。「食其家」の発音は「シーチーヂア」だ。最初の2文字を音訳し「家」だけは残したとみられる。

 これまで日本の大手牛丼チェーンで台湾に進出したのは25年前の吉野家のケースがあるだけで、すき家が進出すれば「吉野家の独占を打破!」と、やや興奮気味に報じた。

 爽報はすき家を「松屋、吉野家とならぶ日本の三大牛丼チェーン」と紹介し、「ネットユーザーの間では(すき家が)本当に来るのかと高度な議論」などと、牛丼ファン台湾人の“騒然たる状況”を伝えた。(編集担当:如月隼人)