高松市、教育情報の一元化に「TENSクラウド」の導入図る

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地域全体の「教育」の共有図る

高松市教育委員会は、2013年1月24日、インターネット経由で情報の管理や共有を可能にする「高松市版教育クラウド(TENSクラウド)」を導入すると発表しました。

今回のクラウド導入は、既存の「高松市教育情報通信ネットワークシステム(略称 TENS)」を活用して“教育クラウド”を構築し、高松市立学校教育にかかわる電子情報を、データセンターで一元管理することが目的です。

また、バックアップ機能を強化することにより、非常・災害時において教育情報を消失するようなリスクの回避を図る点や、ネットワーク経由で、所属や権限に応じた利用を可能としながら、教員相互の情報共有や業務連携を促して、教員の事務作業の負担軽減につなげる点などのねらいもあるようです。

クラウドの運用開始は、2013年2月25日を予定しており、その前に、2月4日から2月8日および、2月18日から2月20日の期間において、校長や教頭、教務主任、TENS取扱責任者(情報担当者)、学校事務職員など約450名が参加して、「クラウド」や「高松市版グループウェア」についての実務と操作に関する研修が行われる予定です。また、対象となる機器は、高松市立学校校務用のパソコン約2,300台となっています。

「保存」や「コピー」ができない工夫も

なお、実運用時には、教員一人一台の校務用パソコンを配備し、教員が個々人のIDとパスワードで「TENSクラウド」にログインするとともに、クラウド上のフォルダーに対して職種(職名)ごとのアクセス権を設定することにより、教育情報のセキュリティが確保されると期待されています。さらに、データを外部に保存・複写・印刷することができない「仮想化システム」を導入することで、教職員が自宅から個人所有のパソコンで自校データへの接続を可能とすることにもなっています。

また、クラウドの利点を生かして、クラウド上の各校のフォルダー構成を統一することや、横断的な共有フォルダーを設定することで、教職員がいずれの学校でも教育情報を素早く参照することが可能になり、学校間の情報共有をすすめてゆく環境整備も予定されているようです。

クラウドを最大限に利用する事例となりそうな今回の取り組みですが、バックアップ用のサーバーをそれぞれの学校が管理する点や、実運用時のヒューマンエラーへの対策など、考慮すべき点は少なくないのかもしれません。ただ、地域で子どもを育てるという概念を、インターネットを活用することで具現化したともいえそうで、改善をすすめながら教育自体の質向上に教師の方々が専念できるのであれば、それは望ましいといえるのでしょう。

▼外部リンク

高松市 プレスリリース
http://e-net.city.takamatsu.kagawa.jp/info/

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