前野 目先の損得だけでなく、長い視点で考えることも大切です。近々パートの損得ラインが変わるので迷う方もいると思いますが、思い切って働く時間を増やして厚生年金に入れば、負担は増えるけど、将来もらえる年金額も増えます。トータルで考えたいですね。

スゴ腕FPの“今どき家計”の注目ワザ!
【横山流】
『年収200 万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
多くの「貯金ゼロ家計」を再生させてきた実績から、「貯金体質トレーニング」や90 日で「貯金力」を上げる究極のプログラムを紹介。


貯金ゼロからでも家計の再生は可能。「消費・浪費・投資」を区別しよう

私はこれまで5700人以上の「貯金ゼロ家計」の再生をお手伝いしてきました。その経験から感じるのは、たとえ今は貯金がなくても、また年収が200 万円であっても、諦めずに“貯金力”を身につけて、お金との向き合い方を改めれば、必ず立て直せるということです。

その第一歩は、支出を把握すること。「お金が貯まらない」とおっしゃる方は、自分が何にいくら使っているかわからないというケースが多いんです。まずはお金の出どころを書き出して、そのお金が本当に必要な「消費」か、ムダな「浪費」か、将来に向けて必要な「投資」か、の3つに分類してみるといいでしょう。

普段何げなく使っているお金も、あらためてその使い方を意識してみると、ムダだと気づいたり、省いたりすることができるものです。最初は浪費の割合が多くても、だんだん圧縮されていって、消費や投資の割合が増え、理想的な比率に近づいていくはずです。

また、固定費として引き落とされているものを疑ってみるのも効果的です。住宅ローンや生命保険料、通信費のほか、スポーツジムの会費、雑誌の定期購読料など。長い目で見れば大きな出費なので、本当に必要かどうか、また安くする方法はないのかなど、見直してみましょう。

【前野流】
『危うくムダなお金を払うところでした』(小社刊)
「家計プラン」のトクする選び方を実践的にアドバイス。自らの失敗体験を交えて、女性が知っておきたいお金の新常識をわかりやすく、具体的に解説。


共働き家計は「共通口座」をつくり、使うお金、貯めるお金を管理する!

最近のご相談で気になるのは、共働きで世帯収入は多いのに、なかなかお金が貯まらないというケース。収入が2つあってゆとりがあると、浪費も多くなりがちです。聞いてみると、家賃はご主人、食費は奥さまなどと分担されているんですが、お互いに相手の収入や貯蓄はわからないとのこと。これだと家計全体を把握する人がいないので、なかなか貯まりません。「共通口座」をつくって月収の一定割合を入れ、使うお金や貯蓄を“見える化”して管理するといいでしょう。

収入が減少し、年金の行方も不透明な中、消費税や社会保険料の負担増が予想され、将来に不安を覚える方も多いでしょう。でも、この先どういう暮らしを送るのかによって、必要な老後資金は変わってきます。今後のライフイベントを書き出して、「わが家に必要な貯蓄額」を試算してみると、貯蓄目標がわかり、それに沿った計画も立てられるので安心です。

横山 光昭(MITSUAKI YOKOYAMA)
ファイナンシャル・プランナー マイエフピー代表取締役社長

延べ約5700人の「貯金ゼロ家計」を再生させてきた家計再生コンサルタント。マンツーマンで行なう個人の家計面談で、家計の借金・ローンを中心に盲点を探り、確実な解決&再生を目指す。また、独自の貯金プログラムで、リバウンドのない再生と飛躍を実現。各種メディアへの執筆、講演も多数。メルマガ「貯めて増やす横山式実践型メルマガ2.0」を現代ビジネスで配信中。著書に『年収200 万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「これ」で、貯めてもらいます。』(徳間書店)、『わが子をお金で苦労させない』(廣済堂新書)など。
▶ http://myfp.jp/


前野 彩(AYA MAENO)
ファイナンシャル・プランナー FPオフィス will 代表

高知大学教育学部卒業後、中学校・高校の保健室の先生、FP事務所を経て、2008年にFPオフィスwill設立。CFP、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザーの資格を持つ。関西を中心に活躍中で、子育て家庭や女性からの相談は、「お金の不安がなくなった」「楽しくお金が貯まるようになった」と信頼が厚い。大人向けのセミナーに加え、中学校や高校での子供向けマネー教育の普及にも力を注いでいる。著書に『ズボラでも大丈夫! 書き込み式 一生役立つお金のキホン』(日本経済新聞出版社)。近著は『危うくムダなお金を払うところでした』(小社刊)。
▶ http://fp-will.jp/


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この記事は「WEBネットマネー2012年12月号」に掲載されたものです。