ロンドン五輪も10日目を超えた。ここまでで一番すごい中継は、昨日のフェンシング団体準決勝ではないか。太田雄貴はものすごかったが、放送もすごかった。

日本とドイツの準決勝、3人目の太田とジョピッチは、残り16秒でポイントは38対38。
解説は齊田守(アテネ五輪フェンシングコーチ)、実況はNHK伊藤慶太アナ。

齊田「(太田は)ワンチャンスありますね」

太田、鋭く突く。ドイツが返す。

伊藤「どうだー!」

齊田「いよーし!」

ドイツがビデオ判定を要求、ドイツにポイントが入る。38対39。

伊藤「さあ残り15秒だ」

齊田「いくしかない、雄貴!」

伊藤「太田踏ん張れるか!」

齊田「チャンス」

伊藤「残り8秒、あー、ジョピッチのポイントだー!」

齊田「まだまだ!」

38対40

伊藤「太田行くしかない、時間がない、時間がない」

齊田「おーし!」

伊藤「太田のポイント、太田のポイント」

39対40 残り6秒。

伊藤「いくしかない!いくしかない!3秒、2秒、2秒で止まった」

フェイスを外して顔を拭くジョピッチ。残り2秒。

伊藤「いくしかない!」

齊田「よーっし!」

伊藤「追いついた―、日本追いついた―」

齊田「よーし、よーし、雄貴―!」

伊藤「すごい!残り1秒で追いついた―」

齊田「よーし、よーし、よーし」

40対40で延長戦。

齊田「雄貴!」

ジョピッチが突き、太田が応戦。

伊藤「太田行ったー」

齊田「やったー」

ビデオ判定。

齊田「太田が、太田選手が喜んでいるのは、ラ・プレパラション(フェイント)している間に入ったよと言っているわけです、ノンコレクトですよと。私もそう見えるんですけど」

確認する審判は、プレパラションの判定。

齊田「やったー、よーし!」

伊藤「団体初のメダル確定、やりましたー」

解説らしい解説は一か所で、あとはアナも解説者も吠えていただけだが、それで十分だった。