映画『ソウル・サーファー』 (C)2011 Enticing Entertainment,LLC,All Rights Reserved.

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 感動の実話を映画化した『ソウル・サーファー』が6月1日より公開される。タイトルの“ソウル・サーファー”とは、特別な才能を持ち、競技に勝つことを目的とせず波に乗る真の喜びを知るサーファーのこと。タイトルだけを聞くと、ただのサーフ・ムービーに思えるが、それだけでは終わらせない本作の魅力がある。

 本作の舞台となるのはハワイ。13歳の少女ベサニー・ハミルトンは、プロサーファーを目指し、毎日海で練習をしていた。ある日、サーフィンの練習中にサメに襲われ、一命は取り留めたものの肩の下から左腕を奪われてしまう。退院後、許可が下りると真っ先に海へ行き、サーフィンを再開。しかし、復帰後初の競技大会で思うような結果が出せず、サーフィンを諦めようとしていた。その時、再びサーフィンで頂点を目指すことを決心させる出来事が起こる。

 主演を務めるのは『チャーリーとチョコレート工場』でヴァイオレット役を射止めたアナソフィア・ロブ。ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の主人公キャリーの過去を描くドラマ『ザ・キャリー・ダイアリーズ』の主役を演じることが決定している注目の女優だ。

 サーフィンの経験がなかったアナソフィアは、本作のために1日4時間、サーフィンはもちろんのこと、水泳、ウェイトトレーニング、ストレッチなど徹底的なトレーニングを1カ月続け、サーフィンの技術を習得した。実際に、本作のモデルで現在もプロサーファーとして活躍するベサニー本人が指導。彼女の上達ぶりに「彼女は本当に飲み込みが早かった。サーフィンを習得するのに普通は何年もかかるのに、彼女は1カ月で本当によくやったわ」と、感心した。

 ベサニー本人とアナソフィアの身長差は15cm以上。それでも、ベサニーは自身の役のスタントとして本作に出演している。体のサイズがまるで違う2人の体を視覚的にマッチさせるために、様々なカメラ・トリックが必要とされた。ショーン・マクナマラ監督は「あそこまで巧みに合わせられたのは驚異だね。2人にはどこか通じ合う部分があったんだろう」とコメントしている。アナソフィアとベサニー本人が見せる本格的なサーフシーンに注目だ。

 リアルさを追求するため、その他にも様々な工夫がされた。ベサニーがサメに襲われる時に登場するサメは、全長4m26cmのイタチザメの複製を製作。これに合わせて、CG映像を使用し、事件の緊張感とリアルさを高めた。複製を目の当たりにしたベサニーは、その大きさに衝撃を受けるも「かっこ良いと思った。サメって本当に美しい生き物だから」と、自身の左腕を奪ったサメに対して意外なコメントをしている。

 そして、1番気になるのが、五体満足のアナソフィアの腕をベサニー特有の肩口から左腕がない状態にすることだ。左腕に緑色の袖をつけて撮影し、腕の切り口が露出しているショット全てにデジタル映像を挿入するという高い技術を要する方法で仕上げた。これは、映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』で用いられた作業に似ているという。

 本作にとってベサニーを支える家族や友人の存在は必要不可欠だと監督は言う。ベサニーの父親を演じるデニス・クエイドは「ベサニーの栄光のストーリーであると同時に、家族が苦境を乗り越えるストーリーであることに強く惹かれた」と、本作の魅力を語った。彼はオファーを受けた時「何が起ころうともこの映画には出る」と、監督に直接電話をしてしまうほど、本作の魅力に取り憑かれた一人だ。

 実際に起きた事件に衝撃を受け、ベサニーの力強さ、生きることを諦めない気持ちに惹かれたキャストたちが、様々な技術を施したこだわりの映像と、ハワイのサーフィンの中心地であるオアフ島の北海岸とカウアイ島で撮影した美しい映像とともに本作の魅力とリアルさを一層際立たせている。

 ベサニーは「誰かが希望を見出す手助けができるなら、私が腕を失った価値はあったと思う」と、語っている。わずか13歳の天才サーファーが、観る者に勇気を与える感動作がついに日本に上陸する。

 映画『ソウル・サーファー』は、6月9日(土)より公開。

映画『ソウル・サーファー』 - 作品情報

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