Jリーグの取材が増えるのは有難い。
でも育成年代の試合は見難くなる。
空いている時間を使って、コツコツ回るしかない。
日帰りで観に行ける試合を探したら、東海プリンスがあった。
藤枝総合運動公園球技場で2試合が組まれている。
余っていた青春18の消化にもちょうどいい(笑)
早起きして東海道線で西に向かった。

プリンスリーグ東海は今日が開幕。
10チームが参加し、ホーム&アウェイで戦う。
第1試合は藤枝明誠と藤枝東の「ダービーマッチ」だ。
藤枝明誠は昨季の1部3位。藤枝東は2部から昇格してきた。

藤枝明誠高校
GK  1 町直哉   3年 178/80 エスパルス藤枝
DF  2 山崎勇一郎 3年 168/66 エスポルチ藤沢
    4 大坪律己  3年 176/65 湘南ベルマーレ
    3 濱一誠   3年 173/60 藤枝明誠SC
    5 川島弘   3年 170/60 ヤマハジュビロ磐田
MF  8 高須信光  3年 176/62 ジュビロ浜松
   17 斉藤源   3年 172/60 藤枝東FC
    7 嘉茂良悟  3年 171/57 藤枝東FC
FW  6 熊谷陵   3年 169/57 ジュビロ磐田
    9 島村克哉  3年 176/65 清水エスパルス
   10 小林舜典  3年 166/55 清水エスパルス

−−小林−−−島村−−−熊谷−−
−−−−-嘉茂−−−斉藤-−−−−
−−−−−−−高須−−−−−−−
−川島−−-濱-−−大坪−−山崎−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−-町-−−−−−−−

静岡県立藤枝東高校
GK  1 大泉元信  3年 176/72 ジュビロ磐田
DF  4 新村翔   3年 178/68 Honda FC
   15 山内馨介  3年 174/67 浜松東部中
    5 西川雄人  3年 178/65 ジュビロ沼津
    2 杉村公嘉  3年 168/58 藤枝東FC
MF 10 渡辺吉都  3年 167/59 ジュビロ沼津
    7 白井悠太朗 3年 174/60 清水エスパルス
    6 北嶋竜也  3年 175/60 Honda FC
FW 12 田口史也  2年 172/68 Honda FC
   11 相佐河惟  3年 175/70 ジュビロ磐田
   13 大村海太  2年 170/66 エスパルス榛原

−−大村−−−相佐−−−田口−−
−−−−-北嶋−−−白井-−−−−
−−−−−−−渡辺−−−−−−−
−杉村−−西川−−山内−−新村−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−大泉−−−−−−−

山崎勇一郎と白井悠太朗がゲームキャプテンだった。

藤枝は“元祖・サッカーの街”である。
藤枝東は最近も長谷部誠のような選手を出しているが、
昔は今以上に日本のトップ・オブ・トップだったチーム。
メインスタンドを見ると、中高年の男性客が多い。
プレーに対するリアクションが熱くてしかも緻密!
高いレベルでプレーされていた方が、高濃度で混ざっているのだろう。
そして同じ街と言え、応援されるのは「東高」の方だ。

両校とも高い位置に選手を置き、ボールをじっくり動かすサッカーだ。
特に藤枝東は「ブロックの中」でボールを動かす狙いが多い。
プレスを避けるために蹴ってしまうのでなく、
相手を食いつかせて周りを空けるテクニカルな狙いがあった。
ただ「ショートパス一筋」という訳ではない。

14分、藤枝東はCBから前線にロングフィード。
それほど強いキックでなく、胸で受けて抑えるような球である。
しかしこれが相手の迷いを生み、「寄せ損ない」が起こる。
大村海太が鋭い反転からDFと上手く入れ替わって、裏に抜け出した。
大村はエリア左で浮き球を右足で軽く摺らす。
シュートは前に飛び出していたGKの脇を抜けてゴールに収まった。
<藤枝東 1−0 藤枝明誠>

20分、藤枝東は相佐河惟が前線でフォアチェック。
相手ボールを引っ掛けて右に落とす。
田口史也がフォローして中にドリブルで切れ込む。
左足のミドルを狙うもシュートは枠上。

藤枝東は中盤、前線とボールを持てる選手が並んでいる。
3トップはいずれもドリブルを多用するタイプ。
高い位置で受けると、かなりの確率で突っ掛けていた。

26分、藤枝東は北嶋竜也に警告。

28分、藤枝明誠は斉藤源→保坂勇希。
保坂は左ウイング。左利きの小林舜典がインサイドに入る。

前半45分はそのまま1−0で折り返し。
前半は内容的に互角だった。

52分、藤枝明誠は保坂勇希→鈴木滉平。
59分、藤枝東は田口史也→櫻井敬基。
61分、藤枝明誠は熊谷陵→前田航希。

残り30分から藤枝東の攻勢が強まる。
64分、藤枝東は櫻井敬基が右から折り返す。
大村海太がファーでボールを抑え、マークを外してシュートを狙う。
決定的だったけどGK町直哉がブロック。

66分、藤枝東は最終ラインからロングフィード。
相佐河惟がCBと上手く入れ違って、一気に裏へ抜ける。
至近距離かつ正面から1対1を狙ったけど枠外。

藤枝明誠のDFラインは「裏」への対応に難があった。
単純なボールから縦に出られる場面がいくつか。

68分、藤枝明誠は山崎勇一郎→吉野宏彰。
71分、藤枝東は大村海太→宮永一希。

76分、藤枝東は宮永一希が前線でタイトなプレス。
宮永はGKからのパスを受けた選手に詰めて引っ掛ける。
相佐河惟がセカンドボールを受け、右足ミドルを狙った。
これがGKの手を弾いてゴールイン。
<藤枝東 2−0 藤枝明誠>

82分、藤枝明誠は小林舜典→金子真之。
藤枝明誠の最終布陣がこう↓
−−鈴木−−−前田−−−島村−−
−−−−-金子−−−斉藤-−−−−
−−−−−−−高須−−−−−−−
−川島−−-濱-−−大坪−−吉野−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−-町-−−−−−−−

83分、藤枝東は宮永一希が左足でエリア内にスルーパス。
櫻井敬基が抜け出して1対1の決定機だった。
しかしGK町直哉がナイスブロック。

町はいい反応を見せていましたね。
2失点こそ喫したが、超のつく決定機を2つ止めた。

試合は2−0でタイムアップ。
藤枝東が内容の伴ったサッカーで、同じ街のライバルを撃破。
1部復帰初戦を飾っている。

☆吉野友三・藤枝東高監督のコメント:
結果より、自分たちがトライしていることを出せるかどうかが大事。
初戦の緊張感はなく、比較的落ち着いてやってくれた。
今年は全国へ行くのが最低で、全国優勝を意識してやっている。
初戦を勝っただけでは、誰も満足してないはず。
去年は「勝負分かれ目になるプレー」にこだわり、
そこへ焦点を当てたトレーニングを多く積んだ。
具体的には1対1、クロスの対応、セットプレーといった部分だ。
去年は静岡学園にやられたけれど、支配される時間が長かった。
全国以降と思うと、サッカーの「質」を高めなければならない。
今年はボールコントロールと動きの精度、
攻守の切替といった部分を徹底している。
相手の“間”でつなぎ、前に掛かってきたら裏を狙う。
MFで回して、食いついてきたら背後を取る。
そういう「相手の形を見ながらできるチーム」を目指している。