竹島(韓国名・独島)を韓国の領土とする全面広告を掲載した米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が、日本領事館から抗議されたことを受けて今後は領土関連の広告は掲載しない方針を明らかにした。韓国では歌手キム・ジャンフンが抗議するなど、物議をかもしている。複数の韓国メディアが報じた。

 問題の広告は、歌手のキム・ジャンフンと徐敬徳(ソ・ギョンドク)誠信女子大客員教授が、三一節に合わせて制作した。3月1日付紙面に掲載され、「独島は東海の美しい景色の中にある島です」として「今年の夏休みは、韓国で楽しんではいかがですか」などと観光広告のような体裁になっていた。

 ニューヨークの日本領事館は1日、「観光広告に見せかけているが、新聞の信用力を逆手にとった読者を誤解させる恐れが高い意見広告」として同紙に抗議。同紙は「今後はこのような誤解を招かないよう、広告を掲載しない」と回答した。

 歌手キム・ジャンフンは20日、インターネット上に日本領事館を批判するコメントを投稿。「独島問題はWP(ワシントンポスト)や、WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)に、慰安婦問題はNYT(ニューヨーク・タイムズ)に広告を掲載すれば良い」とし、日本領事館の抗議は一時的なものでしかないと批判した。(編集担当:新川悠)