J1第2節 FC東京 3−2 名古屋
(3月17日 味の素スタジアム)

★好カードも最後は興醒め
 冷たい霧雨の降り続くなかFC東京対名古屋を見に行った。好カードである。双方のサポーターにとってスリリングな展開で盛り上がった。
 前半に名古屋が先制、後半にFC東京が逆転して3対1とリード。後半41分に名古屋が1点差に詰め寄って猛反撃。そこまでは「はらはら、どきどき」である。
 ところが、終了直前になって3対2とリードしていたFC東京の極端な遅延行為がトラブルを起こし、最後はいささか興醒めした。
 FC東京は1点差を守って逃げ切ろうと、あの手この手の遅延行為を繰り返した。
 90分まで残り1分に、FC東京がハーフライン近くでフリーキックを得た。フィールドプレーヤーが蹴ろうとしてやめる。後方からゴールキーパーがゆっくりと出てきて蹴ろうとする。時間つぶしである。

★あの手この手の時間つぶし
 そのタイミングで、FC東京が選手交代をしようとする。これも時間つぶし策のようにみえる。主審はすぐには交代を認めないでフリーキックを蹴るように促す。キックしようとしていたゴールキーパーは、交代出場しようとしている選手を指さして「交代があるよ」と主審の注意を喚起する。主審が交代に気が付いていることを知っていながらのアピールである。これも時間つぶしである。主審は「遅延行為」だとしてイエローカードを出す。
 そのあとの交代も「のろのろ」である。
 後半の追加時間は5分だった。遅延行為を帳消しにするために長くとったのだろう。
 どちらも応援していたわけではないが、FC東京の目に余る遅延行為の繰り返しが嫌になった。「追加時間のうちに名古屋が得点して引き分けになればいい」という気持ちになった。

★遅延行為は、まともな戦術か?
 追加時間に入ってから、FC東京の選手がタッチライン際で倒れた。立ち上がらないと、さらに時間が空費される。それを恐れた名古屋の外国人選手が2人がかりで倒れているFC東京の選手を引き起こそうとした。そこで揉み合いになり、名古屋のダニエルソンがレッドカードで退場になった。
 FC東京はそのあと、さらに選手交代をして時間を稼いだ。主審は追加時間をさらに2分近く延ばしたが、FC東京は1点差で逃げ切った。
 イエローカード覚悟の上で勝ちを求めるのは競技規則の範囲内での行為で「遅延行為も一つの戦術だ」という考えだろう。
 ぼくは、そういう考えには組みしない。見たいのはサッカーのプレーであって、こすからい「駆け引き」ではない。こういう考えは「古くさい」だろうか?