試合 :2014年ワールドカップ アジア3次予選 第6戦
開催日:2012年2月29日
結果 :ウズベキスタン代表勝利
スコア:「0−1」
得点者:シャドリン

○ 日本代表(10点満点評価)

FW:ハーフナー・マイク
MF:岡崎慎司 香川真司 藤本淳吾
MF:遠藤保仁 長谷部誠
DF:長友佑都 今野泰幸 吉田麻也 内田篤人
GK:川島永嗣

FW:李忠成
MF:乾貴士 香川真司 岡崎慎司
MF:遠藤保仁 長谷部誠
DF:駒野友一 今野泰幸 吉田麻也 内田篤人
GK:川島永嗣


ハーフナー・マイク:4点
李忠成:3点

とにかく最前線でボールを収め、深みを作る事によって、バイタルエリアにスペースを作る。それから、サイドからのクロスボールのターゲットになる。そして、得点を取る。この3つが主な役割となっていると思いますが、まず、3列目や最終ラインのところから、2列目を飛ばして最前線に楔のパスを入れる、それが無いと1つ目の事ができないですよね。

もちろん、ただいるだけでも相手を引っ張れるというのか、特にハーフナーは目立つので、ウロウロしているだけでも相手を引っ張れますが、低い位置からの楔のパスを上手く引き出せる、そしてそれをしっかり収められる、更にはそこからパスなりドリブルなりシュートなり、効果的な仕事ができる、という事にならないと、なかなか良い攻撃は作れないと思います。

ハーフナーは、サイドに流れてボールを収める、という部分では2回ぐらい良いプレーをしていましたが、しかしその回数は少なかったですし、また、中央で低い位置からの楔のパスを収める、という事はできていませんでしたし、ボール受けてから良いプレーをしたのは、香川からのパスを受けて、右サイドから岡崎へラストパスを出した、という1回だけでした。

李にしても、ハーフナーとタイプは異なりますが、やらなければならない役割は同じだと思います。しかし、ハーフナーと交代してCFの位置に入り、25分間ぐらいプレーしたと思いますが、ほとんど存在感というものがありませんでした。従って、前田であってもそうですが、ザックジャパンにおけるCFの機能性の低さというのは、もう少し考える必要があるかなと思います。

CFの選手の個としてのプレー。そこのパフォーマンスが低い、という事もそうなのですが、ザックのCFの選手の使い方、そこにも問題があるかなと思っています。個人的には、最前線で、という事にこだわらず、もっと中盤へ下がってボールを受けさせた方が良いと思っています。バイタルエリアにスペースを作る、という事だけに、強くこだわり過ぎている気がします。

むしろ、バルサのように、バイタルエリアで起点を作り、サイドや中央のDFラインの裏など、そこにスペースを作る、という方法もありますから、スペースメイキングという事について、サイドを起点にして中央にスペースを作る、中央を起点にしてサイドにスペースを作る、高い位置で起点を作ってバイタルエリアにスペースを作る、低い位置で起点を作ってDFラインの裏にスペースを作る、全てをやるように、やれるように、そこを目指して欲しいなと思います。

また、組織化された守備を崩すには、ギャップを作る、という事が重要だとよく言われますが、そのためには、1つは前述したような、スペースメイキングのバリエーション、という事がそうですし、またもう1つには、やはり個による打開、という事ですよね。そしてその個による打開という部分が、日本人FWの能力として、最も欠けている部分だと思っています。

組織的な約束事、規律、タスク、それで動くだけでは、相手を効果的に引き付けられない。個の打開力を見せつける事で、実際にはそれが最も相手を引き付けられる。もっと個の力で得点を取りに行け、もっとドリブルの威力を高めろ、と日本人FWに私が強く強く要求するのは、それが周囲の選手を活かす事にもなるからですね。