ギリシャの債務危機による金融システムへの打撃を防ぐため、韓国は中国との通貨スワップ規模をこれまでの2倍にあたる3600億元(570億ドル)に拡大した。これに対し、専門家からは驚きの声があがった。1日付で中国金融網が伝えた。

 今回の中韓の通貨スワップ協定は、中国の李克強副首相がソウル訪問中に公表されたもので、韓国は日本との通貨スワップを130億ドルから700億ドルに拡大したばかりだった。

 韓国中央銀行は、今回の通貨スワップは日韓通貨スワップと同様に、「世界中の金融市場に広まりつつある不確実性によるマイナス影響を減少させる目的」だと述べたほか、今回の措置により韓国の対中国の貿易赤字を改善することができると述べた。

 韓国金融界の「アキレス腱」は、短期外貨債務の返済が難しくなっていることだ。流動性の萎縮は2008年から09年にかけて、経済が悪化した時に大きな問題となったが、当時の韓国の解決方法の1つが、米国や中国、日本と900億ドルの通貨スワップ協定を結ぶことだった。

 しかし、今回の韓国の通貨スワップ規模については専門家も驚きを表している。ある経済学者は、韓国には3030億ドルの外貨準備があり、その規模は世界第8位で、十分な流動性を確保できるはずと述べている。

 韓国は通貨スワップの有効性を認め、10年のG20では、流動性に限りある国のために、長期的なグローバルな通貨スワップ安全ネットワークを設立すべきとの提案を出している。しかしこの提案は今のところ受け入れられてはいない。(編集担当:及川源十郎)