ソウル警察庁広域捜査隊は21日、海外の名門サッカーチームに進出させるとして、高校や大学のサッカーチームに所属する選手やその親から金銭をだまし取った疑いで、無資格のサッカーエージェント代表のチョン容疑者(40)を拘束し、ファン容疑者(41)ら2人を不拘束立件した。また、海外チーム入団あっせん名目で、被害者から1億7000万ウォン(約1132万円)をだまし取った別のエージェント代表イ氏(45)を指名手配した。複数の韓国メディアがこれを報じた。

 韓国メディアは、海外リーグ進出を口実にして、サッカー選手たちやその親から巨額をだまし取った一団が警察に捕まったと伝えた。

 大学でサッカー選手だったAさんは2009年12月、サッカーエージェントと名乗るチョン容疑者から「日本のJ2リーグに所属させる」という提案を受けた。Aさんはあっせん金4500万ウォン(約300万円)をチョン容疑者に渡し、大学を休学。

 しかし、あっせん金を受け取ったチョン容疑者とはそのまま連絡が途絶えた。Aさんは結局サッカー選手をあきらめた後、軍に入隊、現在は精神的ショックのため、隠れるようにひっそり暮らしている。このように、被害にあった選手たちは 精神的なショックから、ほとんどが選手生活を断念しているとの状況を伝えた。

 明らかになった被害者は16人、被害額は4億5000万ウォン(約3000万円)に達しており、ソウル警察庁はこれらの偽のエージェントに選手たちを紹介したサッカー監督3人も拘束し、 引き続き調査している。(編集担当:李信恵・山口幸治)