内野安打率で見えてくるもう一つの世界|2011年MLBペナントレース

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以下の表は昨日時点でのアリーグ打撃50傑の選手を「内野安打率」で並べ替えたものだ。

表は、トータル、内野、外野での打率を示している。右端のIF%は、総打数に占める内野への打球の割合。

内野安打率が最も良いのは、ピーター・ボージャス。まだ2年目の若手だ。以下、ブレット・ガードナー、ハワード・ケンドリック、ホアン・ピエール、アダム・ジョーンズと足の早そうな面々が続く。イチローが6位につけている。

イチローは外野安打率(外野へ飛んだ当たりの安打になる率)は.434。リーグ20位。なのに、トータルの打率では44位。なぜ?おかしいんじゃないか、と思うかもしれない。内野安打率も外野安打率も高いイチローのトータルの打率が低いのは、内野へ飛ぶ打球が53.1%と最も多いから。アウトになる可能性が高い内野への打球が多ければ、高打率は期待できない。イチローの打率低迷は、外野飛球が減っているのが大きい。デレク・ジーターやホアン・ピエールも内野への打球が50%を超えていて、同じような数字になっている。

こうして表を見てみると、打者というのは外野へ飛球を飛ばして何ぼ、であることが分かる。外野へ飛んだ飛球は、40%近くが安打になるのだ。

多くの打者は内野へ飛んだ打球は、捨てている。諦めている。内野に飛んだ時点で、それは「打ち損ない」なのだ。

そこに活路を見出したのが、イチローという打者だったのだが。