レアル・マドリーとバルセロナによるチャンピオンズリーグ準決勝は、バルセロナの決勝進出で幕を閉じた。喜びと怒り…スペインメディアの反応は明暗分かれている。

マドリッドの『マルカ』は、一面で「不可能なミッションだった」と報道。「恐れを抱いたデ・ブリーカー（主審）がクリスティアーノ・ロナウドのファウルをでっち上げ、（ゴンサロ・）イグアインのゴールを認めなかった。マドリーは主審とUEFAに激怒。ファーストレグの０−２という結果が重過ぎた。尊厳と勇気をもって、マドリーは10度目の欧州制覇に別れを告げた」と伝えている。

GKイケル・カシージャスは「僕らは射殺された。ファイナルを奪われた」と述べ、Ｃ・ロナウドは「この状況が変わるか、バルサだけにプレーさせなければいけないかだ」とコメント。アシスタントコーチのアイトール・カランカ氏は「ジョゼ・モウリーニョ監督は正しかった。ラウンド突破は不可能だった」と述べ、同監督とは関係が良くないと言われる幹部のホルヘ・バルダーノ氏ですら、「主審で決まった２試合だった」と指揮官に続いている。

一方で、『マルカ』は、「マドリーの攻撃陣は控え目な試合をした。マドリーにはプレーが欠けている。意欲という点で非難すべきところはないが、そのレパートリーはあまりに限られている。マドリーは走り、プレスをかけ、ファイトするが、ボールは見ていない」と、内容に苦言も呈している。

対するバルセロナのメディアで見られたのは、「ウェンブリー」という一言だ。19年前、バルセロナがサンプドリアを下して欧州を制覇し、28日に６年間で３度目、合計で４度目となる優勝を目指すファイナルの舞台だ。

『ムンド・デポルティボ』は、「ウェンブリーへ！」、『スポルト』は「アディオス、マドリー。我々はウェンブリーへ行く！」と報じた。『ムンド・デポルティボ』は２面と３面で、「なぜバルサの方が優れているか」と題し、「サッカーの勝利」「サッカーのミスター大使」と絶賛。『スポルト』は「インテリジェントなバルサがモウリーニョを沈めた。彼はサッカーについて話し、バルサについて話して、マドリーは黙ることになった」と皮肉を突きつけている。

ほかには、『アス』がレアルMFカカーをワーストプレーヤーに選んで批判。『スポルト』は「ゴールデンゴールの男」とバルサFWペドロを称賛した。４回のクラシコによってスペイン代表での亀裂を心配していたビセンテ・デル・ボスケ監督にとってうれしいニュースとなったのは、『マルカ』が「（アルバロ・）アルベロアと（ジェラール・）ピケは試合後に抱き合い、クラシコを平和にした」と報じたことだろう。