東京都・渋谷で20日、反原発デモが行われた。参加者たちは、「原発を即刻停止せよ」などと書かれた黄色いプラカードを掲げ、シュプレヒコールをあげながら行進した。中国新聞社など中国メディアは同デモに注目し、自国向けに記事を配信した。

 デモは全国労働組合交流センターや学生組織が主催した。東北関東大震災で東電の福島第一原発が事故を起こしたことを受けたデモで、1000人近くの参加者が集まったとの見方もある。警察官約100人が出動し、秩序の維持にあたった。

 デモに参加者のひとりは、地震発生から1週間が経過してもなお、物資や医療要員が足りず、改善が見られない被災地の現状を紹介し、「これらはみな日本政府の原発への過信が生んだもの」と主張した。福島第1原子力発電所での放射線漏えい事故は震災救援の大きな障害となっているとし、「即刻すべての原発を停止する必要がある。今回の原発事故は想定外の損失と混乱を引き起こした。東京電力の情報の透明度には疑問が残る」との考えを示した。

 また、原発で働いていたことがあるという男性は、「福島原発の作業員は一番の被害者。厚生労働省は作業者の被爆基準を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げたが、人の命を何だと思っているのだろう。なぜ作業員が最終的責任を負わなければならないのか」と憤(いきどお)りをあらわにした。(編集担当:畠山栄)



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