福島原発の危機的状況が続く中、フランスやドイツなどは自国の救助隊を本国に帰国させる措置をとった。一方、15日から仙台で本格的な救助作業を行っている韓国の救助隊は、活動を継続する方針だ。放射能被ばくへの懸念が高まることもあり、「放射能のレベルが救助の変数」だという。

 韓国の救助隊は現在宮城県仙台市若林区荒浜と多賀城市で3チームに分かれて活動中で、捜索現場近くの駐車場などにテントを張っている。捜索活動を続ける一方、遺体の収拾にもたずさわっている。厳しい環境のなかでも被災者からの「ありがとう」、「カムサハムニダ」の声が支えになるという。

 救助隊の活動地域は福島原発から120キロしか離れておらず、救助隊員は防護服着用で活動を続けている。放射能の危険が迫る場合、現場の救助隊が最終的に退避判断をすることになっている。当分は状況を見守りながら捜索活動に専念する方針だ。

 ただ、フランスやドイツなどが自国の救助隊を撤収させていることもあり、韓国でも被ばくへの懸念から救助隊を撤収させるべきとの声も多い。韓国メディアは「ほかの国では救助隊を撤収させているが、韓国はむしろその反対だ。政府は100人の救助隊を追加で派遣することを検討している」と伝えた。

 韓国政府は日本の要請があれば追加派遣できるよう、100人ほどの救助隊員を待機させているが、日本政府からの要請はまだないという。17日には、救助隊員に必要な水や食料など1週間分の生活用品を新潟空港から救助隊に届けた。現地の救助隊員の疲労がたまっているため、待機中の救助隊員との交替も検討中だ。(編集担当:金志秀)



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