日本で巨大地震が発生して以来、韓国のインターネット上には、一部のネットユーザーによる震災を喜ぶ不謹慎なコメントがいくつも書き込まれていた。だがここにきて、そのような声を叱責(しっせき)するコメントが書き込まれるようになり、徐々に反日コメントを追放する動きが出始めている。

韓国メディア「デイリーアン」によると、「韓国には歴史的な悪縁や領土問題による根強い反日感情があるが、震災以来その動きが変わりつつある」という。

震災当初、韓国のインターネット上でよく見られたのは、反日感情むき出しで「日本は過去に韓国へ多くの間違いを犯したから(震災を受けて)良かった」などといった不謹慎な書き込み。だが、今では「歴史以前に人間として日本を見る時だと思います」などの書き込みが多く、反日コメントを排除しようとする雰囲気がある。

どのようなコメントが集まっているかと言うと、「日本には韓国人もたくさんいる。日本の災害を見て同情できないなんて恥ずかしいこと」「政治は政治、経済は経済、歴史は歴史、人は人だ。日韓関係が改善したわけではないが、他人の苦痛を笑うのは日本の戦犯たちと変わらない」「私たちは日本のせいで多くの人が死んだが、人の命に対して同等量を望むべきではない」といったもので、日本に対し複雑な思いをのぞかせながらも、反日コメントを批判している。

中には「昔、日本が韓国に間違ったことをしたからといって、震災を皮肉ってはいけない。日本は韓国を見くびっていたが、韓国は率先して助けよう。そうすれば日本人は過去の過ち悔いて、心から懺悔すると思う。それこそ大韓民国の真の勝利だ」などといったコメントもある。

もちろん、根強く反日感情を書き込む人もいる。「過去は過去という言葉は、加害者側の言い訳にすぎない。今も日本は歴史歪曲は続けているから(支援は)ダメ」といった書き込みがあるが、これに対しては「こういった惨事にはまず温かい人間愛が必要だ」などのコメントが殺到し、最後には反日コメントが封じ込まれるといった状態だ。

日本と韓国は歴史的な葛藤を抱えている。一部の人たちは被災した日本に対し、同情心や手を差し伸べる気持ちより、過去の出来事の方が強く感じてしまうのかもしれない。だが、ネット上の雰囲気が変わりつつあるのは事実だ。

参照:日本大災難にネチズンが反日コメント追放 - デイリーアン

(文:林由美)

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