イタリアのサッカーリーグ・セリエAのインテル・ミラノに所属する長友佑都が6日、途中出場したジェノア戦で移籍後初ゴールを決めた。ゴール後に長友がエトーら味方選手に対して「お辞儀」パフォーマンスを見せたことが中国でも大きく伝えられたが、そこには日本や韓国の一流選手が欧州で活躍を見せる中で中国選手の功名が伝わってこないことに対する嫉妬の思いもあるようだ。

 新民網は「日本の武士がメアッツァに見参」というタイトルの文章を掲載、「お辞儀」シーンの画像とともに長友のプレーを振り返った。その一方で、「純粋にサッカーという観点から見れば、長友は間違いなくインテルにとって戦力そしてビジネス双方で完璧な買い物だった。ただ、中国のサッカー好きから見ればそれはある種の苦痛を伴うものだ」とも。苦痛の一因は、若手のホープとして期待され、かつてインテルのキャンプに参加して「彼らのサッカーはイマイチ」と発言した王大雷がいまだ世界で活躍していないことにあるようで「彼は一体どこにいるのだ」と問いかけた。

 また、王大雷に限らず中国人選手たちが「ドイツの2部リーグで苦しみ、ポルトガルリーグの入れ替え戦常連チームでベンチを温め、韓国のリーグで活躍」という状況を嘆き、アジアカップ直前に高洪波監督が「中国はアジアの三流」とコメントしたことに「中国には一流選手もいる」と国内メディアがかみついたことが「まるで笑い話ではないか」と指摘した。

 最後に、長友が「剣道ごっこ」や「お辞儀」をするなかで、下部リーグの試合に「出場するとも分からない」中国人選手を見に行くのは「恥辱」だが、「これは仕方ないこと。隣国の偉大さを認め、自身が奮闘するしかない」「なおも『アジア一流だ』など虚勢を張るのは自らを愚弄するばかりだ」と謙虚に国外で奮闘する中国選手の現実を受け入れ、地道な努力を期待すべきだとした。(編集担当:柳川俊之)



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