死亡補償金を受け取るため!?26年前に家出した実母がTVで涙

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哨戒艦沈没事故の遺族に支払われる補償金をめぐり、ある遺族と実母の間で悲しい問題が起きている。韓国SBSテレビは9日にこの問題について取り上げ、渦中の人物である実母がテレビに登場したことから韓国のネット上は大騒ぎとなっている。

問題が起きているのは、哨戒艦「天安」の乗組員で事故の犠牲者となった故シン・ソンジュンさんの家族。ソンジュンさんの実母は、26年前に家出をしたまま音沙汰がなかったのだが、ソンジュンさん死亡が伝えられるとヒョッコリと姿を現し、死亡補償金の権利を主張してきたのだという。

ソンジュンさんは未婚のため両親に相続権が発生し、その権利は父親と母親で半分ずつとなる。そのため、26年間音沙汰の無かった実母にも相続権が発生し、国からの補償金を半額受け取れる。

SBSの取材によると、実母は6月16日の時点で、すでに死亡補償金1億9470万ウォン(約1440万円)のうち半額を受け取っていて、今後は残りの死亡補償金8億ウォン(約6000万円)と、毎月支給される死亡年金80万ウォン(約6万円)の半額(約3000万円+月々の年金約3万円)も受け取る予定だという。

常識では考えられないような行動に韓国中から非難が集まったが、9日の放送ではこの母親が堂々とテレビに登場。母親はソンジュンさんの墓石の前でおもむろに泣きながら「お金も名誉もいらないから私たちを助けて」と悲しむ姿を見せるが、ソンジュさんの姉との電話では「私があなたを捨てたからって、ずるずると言いなりにならなきゃいけないわけ?」と詰め寄るなど、恐ろしいほどの二面性を見せている。

もちろん、この女性に対する非難はすさまじく、ネット上には「人間のゴミ」「お金が最高ってことか」「開いた口が塞がらないね」「国民の義援金がとんでもない母親の私利私欲を満たしている」「法を見直せ」「すでに受け取った補償金を還収すべき」といった書き込みがされている。

ちなみにこの母親は、ソンジュンさんを育てていないだけでなく、別の家庭を持ち、ソンジュンさんの葬儀にも出席していない。現在、ソンジュンさんの父親グクヒョンさんは、実母に対する訴訟を準備している。


参照:天安艦、故シン上士実母、26年前家出して補償金を受け取る? - reviewstar.net
参照:天安艦補償金もらうため、26年前に家出したママが帰ってきた - ニュースエン


(文:林由美)

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