MFクラウディオ・マルキージオが国歌吹奏の際にローマを侮辱していたとの騒動が持ち上がったイタリア代表。だが、6日に起きたアッズーリ(イタリア代表の愛称)に関する騒動はこれだけではなかった。ロベルト・カルデローリ大臣の発言に対し、GKジャンルイジ・ブッフォンを始めとする選手たちが不満をあらわにしたのである。問題となったテーマは、アッズーリが南アフリカ・ワールドカップに優勝した場合のボーナスだ。

カルデローリ大臣はイタリア『ANSA』通信に対し、イタリアの現在の経済状況について、次のように話している。

「全員がそれぞれ犠牲を払えば、全員がよりよくサポートされることになる。私が言っていることは一つのアピールでしかない。それはもちろんだ。だが、イタリアサッカー連盟がW杯における選手たちへのボーナスを減額するには、良い機会になると思うんだ。選手たち自身も、名誉あるタイトルを得て、自らボーナスを諦める良い機会のはずだ。さらに、各クラブがサラリーを減らすのも良いだろう。現在の経済状況に即したものではないからね」

さらに、カルデローリ大臣はインテルに対し、「彼らはイタリア人抜きでセリエAを制覇した。矛盾しているよ。残念ながら、大金を払って名のある選手たちを獲得することで、我々は完全に生え抜きの選手たちを失ってしまったのだ」と批判している。

これに対し、選手たちからはまず、MFアンジェロ・パロンボが反論。同選手は「ボーナス減額? W杯に勝つためだったら、僕はポケットマネーを払うくらいだよ。すべての仕事において、目標を達成すればその報いがある。金銭的にもね。でも、それが問題だなんてあり得ないことでしょ」とコメントした。

さらに、ブッフォンは「僕らのお金(税金)がどこにいくものなのか、カルデローリ大臣が僕に言ってくれるのであれば、少し考えても良いかもしれないね。でも、自分たちの虚勢を張るのに、政治家たちがいつもW杯に便乗しようとするのは理解できない。僕らのところに来て、僕らと直接話すのではなく、メディアを通じて僕らを攻撃するんだ。それなのに、結果がうまくいくと、身をひるがえしたりするんだよ」と批判。キャプテンを務めるDFファビオ・カンナヴァーロは、「僕らがバカげた国なんだよ」と厳しく一蹴している。

一方、イタリア監督協会の会長で、サッカー連盟の取締役でもあるレンツォ・ウリヴィエリ氏は、「アイディアは悪くない。節約しなければいけない必要性があるのは明らかだと思う。ただせっかくなら、カルデローリ大臣がまず自分の手当てを減額し始めると良いんじゃないかな」とコメントしている。

カルデローリ大臣の発言については、そのほかの政治家も反応した。イニャツィオ・ラ・ルッサ大臣は「私はスポーツコメンテーターとしてのカルデローリより、大臣としてのカルデローリの方が好きだがね」と苦言を呈している。